多数決
オリオン座が本棚に収まっている 溢れた星団の散らばりを 机の上で数えていく
空に空を描く雲の粒子状 量子的な善意の中の悪寒 どうでもいいことが線で結ばれる
走った列車の後を追いかけていく それでも置いていかれる感情の 行き場は酒場の場末
歌を歌うことの歌わなさに とどめを刺す無関心 煙を吹く蒸気に星雲の赤さが滲む
今日は今日だけにして 明日は今日だけにして 昨日は今日の戻れない過去に挟まれて
揺らいだ人生の幕切れのような 今を生きている それが何かは知らないが
知っているような 知らないような 知っているような
そんな人だったり 動物だったり 無機物だったり 生物だったり
星の空は 岬に沈む 日が昇るとき 多数決で決まることの未来が未知ている