7.天使落第 ~(6)
老人がパレルに向かって笑いかける。
「おじょうさん、いい思い出をありがとう」
老人はお礼を言いながら手を振っていた。
パレルも老人に見えるように大きく手を振った。
「よかった。おじいさん、喜んでくれたみたい」
「ああ、そうだな。どうだ? 死神の仕事もそう悪くないだろ?」
ちょっと自慢げな顔でジャンクが言う。
「そうだね・・・・・」
パレルはそう言いながら顔がふて腐れていた。
「お前、何、怒ってんだ?」
「怒ってないよ!」
「どう見ても怒ってるだろ」
ジャンクはパレルが怒っている理由が分からなかった。
パレルが軽蔑したような横目で睨む。
「な、何だよ・・・・・」
「ジャンク、さっきの美人の天使にデレデレしてたでしょ」
「な、何言ってんだ、お前」
焦ったようにジャンクはどもった。
「そっかあ、ジャンクはああいうのが好みなんだあ・・・・・」
「何だよ、ああいうのって?」
「ああいうボン・キュッ・パ!・・・・・がいいんだあ」
「お前、何歳だ?」
ジャンクはそう言いながら、しまったという感じですぐに口を抑えた。
「なあに?」
「いや、何でもない」
ジャンクはなにか誤魔化すようにパレルから顔を逸らす。