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19.陽だまりの中で ~(3)

『憶えてんのか?俺のこと』

「本当にジャンクなの? あれは夢じゃなかったのね」


 パレル(おばあさん)もびっくりしたが、それ以上にびっくりしたのはジャンクだ。


『普通憶えてないはずなんだけどな。やっぱりお前すごいんだな』


「やっぱりジャンクなのね。久しぶりね」

『ああ、九十六いや九十七年ぶりか』


「あなた変わらないわねえ。でも相変わらずダサイ制服だね」

『そりゃ死神だから歳は取らねえよ。ダサイは余計だ』


「そうか。あなたが来たってことは私も天国むこうに行くのね。でも、もう思い残すことは何も無いから大丈夫だよ。さあ、行こうか」


『いや、それがな・・・』


急にジャンクは困った顔になった。


『今、日本も高齢化で亡くなる人が増えすぎてな。天国むこうも人手不足で手続きが追いつかないんだ』

「え? どういうことだい?」


『んーだからな。お前は本当は今日で寿命のはずだったんだけど、それがもう少し延びることになったんだ』

「延びたって・・・寿命が?」


『ああ。召喚する人が集中しすぎないように、とりあえず健康な老人から寿命を延ばすということが天国むこうで決まったんだ。お前の寿命は五年ほど延長になった』


「定年延長みたいに軽く言わないでおくれよ。私はそろそろ逝ってもいいころだと思ってたんだけどねえ。大体、寿命って生まれた時に決まってんだろう。そんな簡単に延ばせるもんなのかい?」


『しようがねえだろ。天国むこうの見通しが甘かったんだろうな。召喚担当の事務処理が想定を超えたもんで追いつかないんだとさ。それで寿命についても規制が緩和されたんだよ』


天国そっち現世こっちもお役所は同じようなことやってんだねえ・・・」


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