18/20
18.陽だまりの中で ~(2)
「そうだよ。もうすぐ迎えに来るはずなんだけどねえ・・・・・」
「大おばあ様のお友達が来るの? 誰? 舞菜も知ってる人?」
「うーん。名前なんていったかしら、忘れちゃったわ。さあ、もう家の中に入りなさい。ちょっと寒くなってきたから」
「はーい」
二人は息の合った返事をしながら仲良く家の中に入っていった。
「ああ、それにしても不思議な夢だったわ。すごく懐かしい感じがする。夢に出てきた死神、名前なんていったかしら・・・・ジ、ジ、ジャンゴ?・・・」
『ばかやろう、ジャンクだ!』
庭の向こう側で聞き覚えのある男の声が聞こえた。
「そうそう、ジャンクだ・・・え?」
おばあさんは驚いてあたりを見回した。
「誰かいるのかい?」
『え?お前、俺の声が聞こえてんのか?』
その声の主も驚いた様子だ。
「だ、誰だい?」
庭先にある白樺の横に薄らと人の影が見えた。
『まさか、俺の姿も見えてんのか?』
それは夢の中に出てきた死神のジャンクだった。
「もしかしてあんた、ジャンクかい?」