セーラー服でご臨終オジサン
夢見ていた。
ずっと夢見ていた。
ずっと追い掛けてきた。
自分がこの世からいなくなると知ったとき。
自分がもうすぐこの世からいなくなると聞いたとき。
それが真っ先に思い浮かんだ。
その夢が一番に出てきた。
小さい頃から憧れていた。
そして今も憧れている。
もうすぐ死ぬと知ったとき、人は後悔を無くそうとする。
やらぬ後悔を必死で潰そうとする。
僕のそれは、セーラー服を着ることだった。
セーラー服を日常のなかで、普通に着ることだった。
着てみると、しっかりとカラダにフイットした。
もう、後悔は何もない。
着たまま死ねたら、本望だ。
僕はそのまま、そっとぎゅっと、瞼を閉じた。