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スポ根マンガを参考に球技を極めたら最強の武術だと勘違いされた!~魔球と必殺シュートでドラゴンや魔王もふっ飛ばす!~  作者: 空地 大乃
第2章 球技を扱う冒険者編

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第75話 里に案内してもらう

「……ウィンお前」

「な、何よ! 精霊を使うななんて酷いじゃない! それに私は外にも興味あったんだもん!」


 エルフの案内で里に向かいながら目を細めて語りかけるハスラー。


 それにウィンがムキになって言い返した。


 様子を見ていたアドレスが苦笑している。


「だが良かった。それならちょっとした行き違いがあっただけなようだしな。それに今のウィンは精霊も上手く扱えるわけだから揉める原因もない」


 キングはウィンを庇うようにそれでいて彼女の成長が感じられるように言った。エルフ達が目を丸くさせウィンを見る。


「精霊を扱えるようになった?」

「本当なのそれ?」


 エルフたちはどうやらウィンの力が信じられないようだ。


「フフン。このキングのおかげでね。そしてキングの愛らしい友達ボールの協力でね!」

「キュ~♪」


 ウィンがボールを抱えて自陣満々に言い放った。腕の中で嬉しそうにボールがプルプルしている。


「なんだか信じられない話だな。さてもうすぐ里の入り口だぞ」


 話しているうちにエルフの里にたどり着いたようだ。よく見ると開けた場所に藁を利用して作られた家が開けた場所に並んでいる。


「今戻った」

「おお! どうだった……て、だ、誰だその連中は!」

「人間? いや待てあいつウィンじゃないか?」

「本当だ暴走エルフのウィンだ!」

「謝れば済んだ話なのに意固地になって出ていったウィンだ!」

「素直になれないウィンね」

「う、うるさいわね!」


 ウィンが顔を紅くさせて叫んだ。どうやらウィンが出ていった原因は里ではかなり知られているようだ。


「しかし人間を連れてくるなんて長老がなんて言うか……」

「う~ん、ただ俺たちを助けてくれたというのもあるからな」


 不安がる里のエルフにキングたちを案内しくれたエルフの青年が説明してくれた。


 里のエルフたちはそういうことなら話してみる価値はあるかもしれないと考えたようだ。


「とにかく話してくるからちょっと待っててくれ」

「わかった」

「キュ~」

「ね、ねぇこれスライム、なのよね?」

「こんなに丸っこくて可愛らしいスライム初めてみる~」

「触ってもいいの?」

「あぁ。ボールも喜ぶ」

「ボールちゃんって言うんだ~」

「キャ~! ぷにぷにして可愛い~!」

「キュ~♪」


 ボールに興味を持ったエルフの女の子がキングに近づいていく。肩のボールが目当てだがウィンは不機嫌な様子を見せる。


「私、人間を見るのも初めてかも」

「人間って逞しいのね」

「太ももとかすっご~い」


 更にエルフたちの興味はキングの体にも向いていた。触られたことでキングが頬を染めて固まっている。


「ちょっと、べ、ベタベタしすぎじゃないかしら!」

「えぇ~? 別にいいじゃない」

「何でそんなにムキになってるの?」

「な、なってないわよ!」


 キングとエルフたちの間に割って入り怒鳴るウィン。その様子にエルフたちが怪訝そうな顔を見せていた。


「話に聞いていたより里の皆さんと仲良くやれてそうでよかったね」

「う~ん、仲よくやれているのか?」


 ニコニコしながら語るアドレスの様子にハスラーは苦笑していた。


 とは言えそこまで険悪そうではないのも確かだが。


「――全く今更よくおめおめと帰ってこれたな」


 その時――しわがれた声がキングたちの耳に届いた。見ると里まで案内してくれたエルフと一緒に耳の長い初老のエルフがやってきた。


 もっとも人としてみれば初老だがエルフで言えばかなりの年齢なのだろう。エルフは基本若い姿のまま歳を重ねる。

 

 しかしそれでも数百年歳を重ねればある程度の老化が見られるわけだ。


「貴方がこの里の長老様ですか」

「――お前がこの者を助けた人間代表か。それに関しては長老としてお礼させてもらおう」


 長老が声を掛けたキングに向けて軽く頭を下げた。だが直後に鋭い視線をキングにぶつける。


「とは言え、エルフの里では基本他者の侵入を認めていない。ましてのこのこと人間を連れて戻ってきたウィンなど言語両断。すぐにでも里から出ていって貰えますかな――」

 

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