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スポ根マンガを参考に球技を極めたら最強の武術だと勘違いされた!~魔球と必殺シュートでドラゴンや魔王もふっ飛ばす!~  作者: 空地 大乃
第2章 球技を扱う冒険者編

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第74話 エルフの拒否感

「助けてくれたことには感謝するが長老がなんというかは別問題だぞ」


 襲われていたエルフたちを助けたまでは良かったが、要件を伝えると彼らは拒否感を示した。


 人がエルフの里に入ることを良しとはしてないのだろう。


「おいおい。エルフも最近は人と商売したりしてるんだろう?」

 

 顔を顰めハスラーがエルフに問いかけた。確かに以前よりは多少は人間との関わりも出来てきていると聞く。


「一部の人間、しかも商人限定だ。もっといえば人よりはケットシーなどの獣人が多い。獣人は我らと同じ自然を愛する種族だからな」

「まるで僕たちが自然を愛してないみたいな言い方だな」


 エルフの答えを聞いてハスラーが不機嫌そうに返す。


「人間はすぐに自然を壊すだろう」

「強欲なのが人間よ」

「人間だってそんなのばかりじゃない。それを言うならエルフだっていいヤツばかりじゃないだろう」

「ハスラーちょっと落ち着け」

「そうですよ。ほら深呼吸を――」


 エルフが語る人の印象を聞きハスラーもムキになり始めていた。このままでは不味いと考えたのがキングとアドレスが間に割って入る。


「ですが人の事も信用してほしいのは私も一緒です。特に皆さんには私も助けて頂きましたから」

 

 アドレスが出会いを思い出すようにしながらエルフたちに人の良さを伝えた。


「そうよキングには私も助けて貰ったわ。あなた達のイメージがどうか知らないけどアドレスもいい子だしハスラーだってちょっと生意気なところはあるけどいい人間よ」

「生意気っていうのが余計じゃないか?」


 ウィンも黙っていられなくなったのか里のエルフたちにキングとハスラーがいい人間だと訴えた。

 

 もっともハスラーについては若干の棘が含まれていたが。


「キュッキュ~!」

「ほらボールもキングとハスラーを悪く言わないでって言ってる。だいたい悪い人ならスライムがこんなになつくわけ無いでしょう?」


 ウィンがボールを抱きしめながら言った。撫でられてボールは機嫌を取り戻している。


「う~ん……確かにスライムが一緒というのは珍しいか」

「そもそもこんなスライム初めて見るぞ」

「可愛い……」


 エルフの注目がボールに集まった。女のエルフはボールの愛らしさに心奪われているようでもあった。


「仕方ない。助けてもらったのも事実だ。このまま追い返して僕たちエルフの悪い噂を流されても心外だしな」

「そんな噂ながすかよ」

「まぁまぁ」


 ハスラーの顔が曇るが雰囲気的に里まで案内してくれそうなのでアドレスが宥め彼らの話を聞いた。


「里の入り口までは案内する。しかしその先は長老の判断次第だ」

「ふぇ長老……かわってはないんだよね?」

「ウィンを追放した時と一緒だよ」

「はぁ~やっぱり」


 エルフの返事を聞きウィンが肩を落とした。


「あの長老頑固なのよね」

「ウィンが戻ったと聞いたら何を言い出すか」

「ほら見たことかって顔するわよきっと」


 里に案内してもらう道々エルフたちがそんな会話をしていた。


「ウィンが追放されたのって精霊の扱いが苦手だったからなんだろう? 人間のこと悪く言う割にエルフも心が狭いじゃないか」

「ちょハスラー」


 ハスラーは人そのものを悪く言われたことを根に持っていたようだ。ウィンの追放を持ち出して不満そうに語って見せる。


 その様子にアドレスも焦っていた。エルフもいい顔はしていない。


「ウィンも肝心な事を言ってないな」

「全く。確かに精霊の暴走はあったがそれ自体はウィンが今後精霊を扱わないと誓えば済む話だった。だけどウィンは精霊を使いこなせるようになっていずれ里を出るといい出したからな」

「長老と言い合いになってそこで更に精霊を暴走させてそれが決め手になったんだったっけ?」


 エルフたちが里で何があったかを語り始めウィンがバツの悪そうな顔を見せた。


 精霊の暴走がキッカケになったのは確かなようだがどうやら追放の原因はそれだけではなかったらしい――

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