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スポ根マンガを参考に球技を極めたら最強の武術だと勘違いされた!~魔球と必殺シュートでドラゴンや魔王もふっ飛ばす!~  作者: 空地 大乃
第2章 球技を扱う冒険者編

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第67話 フレッシュゴーレム

「随分と悍ましい魔物が出てきた物だな」


 出現したフレッシュゴーレム、その見た目にキングが顔を顰める。


「フレッシュゴーレムというとあれもゴーレムの一種なのか?」


 ハスラーがアドレスに顔を向け問いかけた。ゴーレムというと土や金属で出来たのが一般的だが死体でできるゴーレムは初めてなのだろう。


「は、はい。しかもあのゴーレムもアンデッドの一種。普通の攻撃では幾らダメージを与えても再生してしまいます」

「嘘! それまずくない!?」

「ハッハッハ。そういうことだ。貴様らに残されてるのは絶望と死だ。さぁやってしまえ!」


 オーガスタの命令でフレッシュゴーレムが動き出す。動くごとに肉が削げ落ち触れた地面がドロドロに溶解していった。


「ただ歩いているだけであれかよ……」

「近づかれたら危険な気がするわ」

「だったらその前に必殺シュートで決めてやろう」


 キングがボールを地面に置き大きく右足を振り上げた。


飛龍蹴弾(ドラゴンシュート)!」


 キングのシュートによりボールが龍と化しフレッシュゴーレムを噛砕した。見上げる程の巨体を誇るフレッシュゴーレムだったがその上半身が完全に消滅したのである。


「やった流石キング!」

「はは、僕たちの出番がないねこりゃ」


 ウィンがハスラーが喝采した。だが跳ね返ってきたボールを胸でトラップしたキングは難しい顔を見せている。


「これは確かに厄介だな」

「え?」

「どういうことだ、て!」


 ウィンとハスラーが不思議そうな顔を見せる。直後倒したと思われたフレッシュゴーレムの肉体がみるみるうちに再生していった。

 

 ハスラーも驚きを隠せない様子だ。


「見たか。これがフレッシュゴーレムの再生力。貴様らが幾ら攻撃を仕掛けようが無駄だ」

「むぅ……」

 

 唸るキング。これまでのアンデッドは少なくとも一度破壊してしまえば暫く動き出すことはなかった。しかしこのフレッシュゴーレムは再生が早い。


「だったら再生する前にやるだけよ! サラマンダーショット!」

「ナインボールクラッシュ!」


 ウィンとハスラーが同時に仕掛ける。炎に包まれたテニスボールと九つに分裂したビリヤードボールがフレッシュゴーレムの体を粉砕するがそれもすぐに再生してしまう。


「だ、だめ……」

「まだ僕らじゃキングほどのパワーが出ない。だがアドレスなら」

「そ、それが……」


 ウィンが歯噛みし、ハスラーも悔しそうな顔を見せその後アドレスの顔を見た。


 だがアドレスにはどこか躊躇いのような物が感じられた。


「フンッ。私が何も考えずにこれを生み出したと思ったか? 私にはわかる。その女にはもうさっきのような魔法を扱う魔力が残っていない」

「え! そうなのアドレス!?」


 得意がるオーガスタ。ウィンが弾かれたようにアドレスに顔を向け問いかけた。


「は、はい。さっきの一発で魔力はもう殆ど……この状況であれだけのフレッシュゴーレムを倒すのは……」


 口惜しそうにアドレスがいった。よく見るとアドレスは地面に膝を付け表情からも疲労が感じられた。


「くくっ、そういうことだ。これで貴様らもおしまいだッ!?」


 その時だ、高速で飛んできた小さな球、そう野球ボールがなんとオーガスタの頭を粉砕した。


「油断したな。これが超冒険者ボール1stだ」


 投球後のフォームを保ちキングが言い放った。超冒険者ボール1stは空間に歪みを発生させ瞬時に対象を撃ち抜く魔球でありスポ根マンガの消える魔球からヒントを得た。

 

「そうか本体を倒せばあのフレッシュゴーレムも消える」

「流石キングね!」

「キュ~♪」


 オーガスタの頭をふっとばしたことでウィンとハスラーが喜びボールもスライムに戻ってキングの胸に飛び込んできた。


 キングはボールの頭を撫でるが違和感を覚える。


「何故フレッシュゴーレムが残ってる?」

「あ、そういえば――」

「クククッ……」


 笑い声がした。頭を無くした筈のオーガスタからだった。


「そんな、まさか――」

「ははは、私も舐められたものだ。全くアンデッドを操る私が再生しないと一体いつから思い込んでいましたか?」


 そういった神父の首からまるでトカゲの尻尾のように頭がにょきにょきと生えてきたのだった――

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