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スポ根マンガを参考に球技を極めたら最強の武術だと勘違いされた!~魔球と必殺シュートでドラゴンや魔王もふっ飛ばす!~  作者: 空地 大乃
第2章 球技を扱う冒険者編

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第59話 ゴルフの適正あり?

「これすっごく面白いです~~~~!」


 キングにぐいぐい顔を近づけてきて、アドレスが漫画の感想を述べた。かなり熱が入っている。


 そこまで気に入ってくれたのか、とキングは喜ばしく思った。一方ウィンがジト目を向けている。


「……ちょっと距離が近くないかしら」

「キュ~?」

「ははは。何だ嫉妬か?」

「は、はぁああぁあ!? 何言ってるのよ! そんな筈ないじゃない!」


 ハスラーが笑いながら指摘するとウィンがムキになって反論した。その様子に?顔なキングだ。


「それでどこが良かったかな?」

「最初は暴れて手がつけられなかった猿が、このゴルフを通して師匠と絆を深めたり試合では他の猿の応援を受けたり最初は敵だった相手がゴリラとの対決になって猿の姿で助けに来てくれたり! そういう努力と友情と勝利の展開が凄くいいです!」


 よく読んでるなとキングは感心した。だが、何より読むのが早い。アドレスは漫画を読む時には随分と集中してページを捲っていた。


 キングは考える。これならばゴルフでメンタル強化が可能かもしれないと。


「魔法を使うときに慌てると言っていたけど、集中力は決して低くはない。寧ろこれなら意識をゴルフに向けるのは思った以上に効果的かもしれないな」

「そ、そうですか? でも、私に出来るかな……あまり運動神経よくないのだけど」

「何、そこは練習あるのみだ。だが、少し見てみようか。ちょっと立って腰を捻ってみてもらえるかい?」

「こうですか?」


 アドレスが立ち上がり腰を大きくひねった。動きに合わせて大きなボールもぶるんっと揺れた。


「ふむ、意外と大きいんだな」

「どこ見て言ってるのよ」

「キュ~?」


 ハスラーが真剣な目でそんなことを言った。ウィンの目が冷たい。ボールは何のこと~? と頭に?を作っている。


「ちょっとキング! そんなことさせて、ま、まさかエッチな目的で!」

「うん? いや、腰の動きを見たかったんだがゴルフには大事だからな」

「あ、そ、そうなんだ……」


 ウィンが噛みつきそうな顔でキングに詰め寄った。

 

 だがキングには全く下心がなかった。アドレスの胸の動きにも目を奪われずしっかりとゴルフのことを考えていた。


「しかしアドレスはしっかりとしたいい腰つきをしている。体も柔らかそうだしゴルフ向きだと思うだぞ」

「すげぇなキング。ナチュラルに卑猥な表現をしている」

「あんたが考えすぎなだけでしょうが!」


 ウィンが顔を赤くさせて叫ぶ。


「わ、私がゴルフ向きの体。つまりこの漫画みたいな熱い戦いが出来るのですね!」

「え? あ、あぁ」


 アドレスが食いついた。どうやら随分とスポ根漫画に感化されているようだ。


「あ、でもこれをやるには道具と猿が必要ですよね?」

「いや、猿は別に……」


 腕を組み、困った顔を見せるキング。確かに漫画の中では猿も大事な要素だったが必要なのは道具の方だ。


「ゴルフクラブは必要だな。ただボールに関しては問題ないし基本的なことならそれでも練習可能だろう」


 キングがアドレスの杖を指差して答える。え? とアドレスが自分の杖をまじまじと見た。


「これでですか?」

「あぁ。その杖は先端の丸みがクラブのヘッドに近い。漫画でも最初猿はただの棒を使っての猿真似から始めている。形がクラブに近いその杖ならただの棒よりも練習しやすいだろう」


 ついでに言えば長さも丁度よかった。ドライバーとしては短いがアイアン程度はある。


「とにかく折角だから先ず打ってみたらどうだ?」

「は、はい!」


 こうしてキングはアドレスの練習の為に町を出て近くの森に向かった。流石に町中で練習は厳しいと思ったからだ。


「キュ~♪」

「あの本と一緒だぁ。な、何か可愛い――」


 森に着き早速ボールが分裂しゴルフボールの姿に変化した。漫画では猿が自分の球だとわかるようにボールに猿の顔を描いていたがそれも再現されている為アドレスの目がキラキラしていた。


「よし、これで穴は出来たな」

「この中にボールを入れるのが重要なのね?」

「あぁ。だがかんたんではないがな。先ずはアプローチショットからやってみようか」


 こうしてアドレスのゴルフの練習が始まるのだった――

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