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不自由 ~動かなくなっていく~


 憎かった この体がとても憎くて仕方がなかった


 君の隣にいられる 君の笑顔が見られる そんな幸せ


 永遠に続けば良いと願っているのに 想っているのに


 体は気持ちとは裏腹に 衰えていっているのがわかる


 一人では起き上がることさえままならないなんて


 ここまで弱れば 死が近いことも認めざるを得ないさ


 君はそれでも僕と寄り添う覚悟をしてくれたんだ……


 そんな君のためにも 僕は君を置いて行きたくない


 置いて逝ったりは 決してしたくない それなのにっ


 憎かった どんなに伸ばそうとしても動かないこの手が


 君の傍にいたくて 君の温もりに触れたくて ただ


 手を君の方へと伸ばしたかった それだけなのに


 動くことのない手は もう君を抱き締めることさえできないと


 残酷な現実を突きつけてくる 求めてもいない


 君と過ごすこともできない 未来を見せてくるのだ


 そして日が経つに連れ その未来が現在になろうとしている


 何度も夢の中で僕を襲った 別れが遂にやってくる


 近い未来がどんどん更に近くなって 重なってしまった


 今の時間と ぴったり重なってしまって……いた……


 もう君と同じ場所にいることはできないのだと悟る


 弱り切った体は限界を越えて崩れ落ちて壊れてしまった


 もう何もできないと 君の涙から僕は全てを知る


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