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万華京 夢現  作者: 雑蔵 隆
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少女の出会い

街を離れ、田舎とも田舎ともつかないような場所の閑静な住宅街。そこには人ならざるモノ達が集まる場所があるらしいーーー。

そんな、誰に聞かされるでも、噂とも都市伝説ともつかないくだらない話。

しかし、嘘でも夢でも、ましては創作ですらなく。 私は。たった今、この脚で、その家にたどり着いたのだった。

「コトノハ、コトノハ。さ、改めて紹介するね。」

それも、人ならざるモノのーーー。

「ここが昨夜から説明していた...」

「長」によって。

「私達の住む、《万華京》だよ」

閑静な住宅街を、光が包み込む。思わず眩むほどの明るさに目を閉じ、再び瞼を開けると、そこには。

狐の白い、お面を付けた「長」が突如現れた門の前に立っており、その両手を高く広げると突如門が開き、その中には

「和の都」の名前が相応しいーーーいや、この都こそを和の都と呼ぶのだろう、きらびやかで、美しいもの達が、そして、幼い頃から視える謎の生き物達が、私の目に飛び込んで来たのだった。

「ふふ、気に入って貰えたかな」

激しく頭を縦に振る。

「あっはっは、そりゃあ良かった、さあ行こうか。」


もちろん何でもないただの中学生が、人ならざるモノの長に和の都に招待されたのには理由がある。それを説明すると、昨夜にまで時間は遡る。


私はとある事情で、夜を家で眠る事が出来ず、夜の街をとぼとぼと徘徊していたのだった、公園を抜け、十字路を曲がろうとしたとき、目の前に人が飛び出してきたのだった。急に出てきた為に避ける事も出来ず、ぶつかってしまったのだった。

「いてて...」

「あっちゃあ...ぶつかっちゃったよ、申し訳ないね...」

「あ、いえ、こちらこそごめんなさい。全然気付かなくて...」

右手を見やると、狐の面を被り、着物の不思議...いや、おかしな女性がこちらを見て立ち尽くしていた。

「.....あぁ、いやこっちこそ......ん...?」

おかしな女性がこちらを凝視してくる...!

(もしかして...な...殴られる...!?)

根拠のない不安に身体を締め付けれ、視線を逸らそうにも頭が思うように動かない。

「おい」

「はいぃ!」

話しかけられた!ヤバい、ヤバい、ヤバい...

「ふむ...感じる事も、見ることも、聞く事も出来るか...」

おかしな女性が何やらブツブツ言い始めた、あぁ...やっぱり!もしかしなくても私はここでボコボコにされて誘拐されて殺されるのだろう。終わりだ、私の人生。でも仕方ないよね、私がぶつかったんだもの...

あぁ...涙が出てきた...

「わぁ!?ちょ、ちょっと泣かないで、ねほら泣かないで!そんなに私怖かったのかな!?」

少女は俯き静かに地面を水で濡らし続ける。

「あーそうだ近くに公園あるからそこで話し合おう、ね!誤解されたまんまじゃ困るし、更に招きかねないから!」

少女俯いたまま頷き、二人は公園へと歩き出したのだった。

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