ボクの小さなプライド
診察室の前の椅子で、座って順番を待つ。
扉の奥から聞こえてくる泣き声や叫び声。
順番を待つ、ボクの心はドキドキが溢れだしそう。
妹と受ける、予防接種と言う名の注射
ボクは、妹の手をギュッと握り大丈夫の意味を込める。
『お兄ちゃん、みんな泣いてるね』
妹はボクに話しかける。
「大丈夫だよ!兄ちゃんが手を繋いでてあげるから」
妹に伝えた。 でも、ボクも本当は怖いんだ。ボクが怖がったら妹は不安で泣き出しちゃうからボクは、我慢するんだ。
『お兄ちゃん、かっこいい』
と言ってくれる妹のために、ボクは妹の前では泣かないんだ。
注射なんて、ほんのちょっと痛いだけだもん。
ボクの心は、ドキドキが止まらない。でも、この事は内緒なんだ。
診察室の扉が開いて、泣きながら出てきた子を、見ないようにキュッと目を瞑った。