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第八話「初陣」

 法子さんが僕を連行するときの車で黒ずくめの人の運転で家まで送ってもらってから数日、僕は何度かこの間とは別の何処かは分からない建物の一室に連れていかれ色々とゼロが沢山の人間に配っているオブジェクトについて説明を受けたりして慌ただしく時間が過ぎて行った。


 そんなある日の夕方、僕のケータイに連絡が入り集合場所に向かうと法子さんがもう見慣れてしまったバンに寄りかかりながら待っていた。


「まだまだ戦力とかそういうレベルですらないけど、今日は早速ゼロのイベント参加者が暴れているみたいだからそいつを潰しに向かうわ、あなたには実戦の空気を感じて欲しい、出来ればさっさとあなたのオブジェクトの能力が発現してもらいたいところなんだけどね」

「実戦ってことは・・・・・・この間の甲冑の人みたいなのと戦うってこと?」

「そうよ、あなたは物陰に隠れていればいい。 私がさっさと終わらせるから」


 自信に満ちた顔でそう言うと法子さんは車に乗り込み、僕も後に続く。 そしてドアを閉めると車は走り出した。


「オブジェクトには今現在の生存者の確認が出来る機能がついてるの。 どうやらゼロは100人で止めたみたいね。 この数日で参加者は100から動いていなかったから」

「てことは100からスタートして最後の一人になるのを待つことにした・・・・・・と?」

「そうなるわね」


 法子さんは難しい顔をしてオブジェクトに映し出された数字を睨みながら答える。

 くそ! ゼロとスケベな事をするまでこんなに障害があるっていうのか・・・・・・脱童貞への道はこんなに果てしなく険しいのか。


「あなたが気負う必要はないわ。 私が前に出て戦うんだからあなたは周りに誰か協力者がいたりしたときに無理のない範囲で妨害をしてくれればそれでいいから」


 欲望を叶えるための苦難の道に思いを馳せていたら、何か勘違いしてしまったらしい法子さんが僕の肩を叩きながら笑いかけてくれる、なんか申し訳ない気持ちが一杯だ・・・・・・。


「っと・・・・・・着いたみたいね」


 車が止まり。黒ずくめの男の人がスライドドアを開けてくれる。


「気を付けて」


 男の人は感情の籠っていない声で僕らに声をかけてくれる。 でも表情は初めてのおつかいを見守る親みたいな心配でたまらないといった表情を浮かべていた。


「大丈夫よ、私も皆もミスをしなければ大抵なんとかなるものよ」


 そう言って法子さんは何もない目の前の空間を握る動作をするとまるで今までそこにあったかのように、見覚えのある剣が法子さんの手の中に現れた。


「それじゃ、行きましょ。 お漏らし君」

「だからその呼び方止めてってば!」


 こうして僕の初陣は始まった。

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