第五話「顔合わせ」
女の子に連れられて何処にいくのかと思えば、大通りに出たところで黒塗りのワンボックスカーがドアを開いて待ち構えていた。
「えと・・・・・・」
「何してるの? 早く乗りなさいな」
女の子は僕の手を引くと強引に車に押し込み自分も後から乗り込んだ。そのあとドアは自動で閉まり動き出した。ふと暗いことに気づき窓を見ると外の様子が見えないようにテープできっちり隠されていた。
「ど、どこへいくの? 僕は無関係だよ? 何もしてないしたまたま野次馬根性であそこにいっただけで・・・・・・」
僕は慌てて無実を証明したいがためにしどろもどろになりながら説明してみたのだけど。
「まあ、確かにあそこに来たのは本当にそうなのでしょうね。 だけどお漏らし君? 君はあの女からある物を受け取っているはずよね?」
そう言って射殺すような目で僕を睨んでくる・・・・・・正直ゾクゾクする。
「え、まあそうだね、受け取ったよ? でもあんなビー玉がどうかしたの? ゼロとかって名乗っていたけど僕はてっきり頭の可哀想な娘だと思ってみてたけど」
ゼロのあの言動と魅力的なスタイルを思い出しながら答えた。
「それが原因なのよ、あの女手当たり次第ばら撒いてくれちゃってさ・・・・・・対応する私たちの身にもなれってのよ」
女の子は眉間に皺を寄せ何かブツブツと言いながら手元にスマホに目をやると急に表情を変えた。
「そ、そんな!? ほんとに・・・・・・なんてこと・・・・・・」
女の子のあまりの動揺っぷりが心配になり声をかけてみる。
「ど、どうかしたの? 何か問題発生したの?」
「ええ、単発で推しキャラゲットしたわ」
そうですか・・・・・・。
心配した事があほらしくなったのでその後しばらく会話が途絶えときおり女の子がソシャゲをやりながら独り言を呟くのを子守歌にうとうとしてきたころようやく車が目的に着いたらしくドアが開いて降りるとそこは何処かの倉庫の一角だった。
「ここは・・・・・・?」
「君が知る必要はないわ」
再び女の子に引っ張られながら僕は倉庫から歩き出してそこからすぐ傍にある建物の中に連行されるのだった。
しばらく長い廊下を歩いていくと、視界が開けた。
「えっと・・・・・・なにこれ・・・・・・」
僕は目の前の光景を到底現実として受け入れられずに口をあんぐりと開け固まってしまった。
だってそうだろう? 目の前にはいつの時代のコスプレだよ!と突っ込みを入れたくなるような鎧に身を包んだ男の人が居たりスケベな店に居そうな肌の露出が多くしかも生地が薄く肌が透けて見えてしまうハレンチ極まりないお姉さんが妖艶に微笑んでいるし、極めつけは大きな鷲が鎮座している。
「これがあのゼロってやつの影響よ。あの女は君みたいな少年少女に声をかけて問いかける『力が欲しくはないか?』ってね、そうして欲しいと答えた人たちにこれを配って適性がある子が様々な事を引き起こしているのが現状よ、理解出来たかしら?」
女の子は僕がゼロからもらったのと同じビー玉のような物を掌の上で転がしながら淡々と説明をしてくれた。
「このビー玉って本当にそんな力があるのか・・・・・・、それはわかったけどここにいるひとたちはいったい・・・・・・」
「みんな、紹介するわ。 彼は朴井 堂、あなたたちと同じゼロから例のアレを受け取った一人よ。この世界のね」
ひっかかる言い方をしたな、この世界のって・・・・・・どういうこと?
「なんだ、てことはよわいままか? なんだよつええ奴がきてくれればよかったのに」
心底残念そうに男の人が僕を見てうなだれてしまう。
ただでさえモチベーション低下な上にPCぶっ壊れてふえぇ・・・だったのですがスマホからでもなんとかなるんじゃね?ってことでちまちま再開です。