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第四話 「再会」

昨日の事件現場で出くわした女の子や甲冑の事が頭から離れず中々寝付けず気づけば空が白み始めていた。

 それから母親に無理やり起こされ着替えをして朝ごはんを食べて欠伸交じりに外へ出た。

「はぁ~。 眠い」

僕は眠い目を擦ってトボトボと歩き出した。

「よう、堂」

声のしたほうを向くとそこには拓斗がそこにいた。

「おはよう、拓斗。昨日の駅前の火事すごかったね」

僕は欠伸を噛み殺しつつ拓斗を見ながら昨日の事件の話を振る。

「あ、ああそうだな。結構デカい煙とか爆発とかあったし、それに人も何人か亡くなったみたいじゃないか」

拓斗は一瞬呆けた顔をしたがすぐに事件について話した。

そして僕はというと人が亡くなったという言葉を聞いて、昨日僕が見たあの死体と血の海を思い出して吐き気がこみ上げてきて立ち止まりかけたがなんとか気合でこらえて何でも無い様に拓斗の隣を歩くのに集中した。

だがその一瞬の僕の変化を見逃さない拓斗ではなかった。

「堂、お前なんか顔色悪くなってないか?」

僕はしまったと内心思いつつも無理やり笑顔でごまかす。拓斗は僕と違って他人と話すときちゃんと相手の顔をみてしっかり相手の反応を見ながら話をする人だからそういうのにはすぐ気づいてしまうんだよなぁ。

「いやいや、なんでもないよ? ただ昨日すっごい可愛い他校の女の子のパンツをモロに見てしまってさ思い出してニヤ付きかけてそれを我慢してへんな顔になっただけだよ」

我ながら下種で最低なごまかし方だな・・・・・・。

「ああなるほどな。 それは思い出してニヤついてしまうなぁ」

拓斗はそんな僕のごまかしを信じたようで何度も頷いた。

そして、そんな他愛のない話をしながら僕らは学校に着くと自分たちの教室へと向かうのだった。


昨日の出来事に対する気持ちが整理などたった一日つくはずもなく授業中も上の空で先生の話を聞き流していたらいつの間にか昼休みになり、そして終礼になって拓斗と合流し家に帰ろうと校門に差し掛かったとき、その娘が待ち構えるように仁王立ちで僕を睨んでいた。

「探したわよ、昨日のお漏らし君。 ちょっと顔貸しなさい」

「え、ちょっとなになに!? いてて・・・・・・引っ張らないでよぉ!」

見間違えるはずもなく昨日の青パンツの女の子が僕の制服の襟を掴んで無理やり引っ張ってどこかへ連れて行こうと歩き出した。

その様子に驚きつつもやめさせようと拓斗が女の子の前に小走りになって追い抜き立ち止まらせる。

「どういう事情か知らないけどいきなり人の襟掴んで引っ張っていくってのはどうかと思うんだけど・・・・・・ここじゃ出来ない話なのか?」

苦笑いを浮かべながら拓斗はとりあえず女の子に質問をする。

「ええそうね。ちょっとここでは出来ない話なの。 だから悪いんだけど退いてくれるかしら? お漏らし君のお友達」

「・・・・・・堂、この子となにかハイレベルなプレイでもしてるのか?」

拓斗は若干引いた目で俺を見てくる。

「し、してないよ!? 昨日あったばっかだしハイレベルなプレイってなんだよ! あとお漏らし君って呼ぶの無しでお願いしたい!」

女の子は小さい溜息をつくと力を緩めて僕たちへと向き直った。

「自己紹介なんてしてる暇ないしあなたの名前なんてこれっぽっちも興味もない、さっさと用事を済ませて私は私のやるべき事に集中したいの。 おわかり?」

問答無用と言わんばかりの鋭い眼光で僕らを黙らせる女の子。

「は、はい・・・・・・わかりました。 でもちゃんとついていくから引っ張ったりしないでくれると嬉しいなって・・・・・・」

「そ、そうだよ。せめてそれくらいは譲歩したっていいんじゃないかな?」

僕ら二人の意見を聞いて女の子はまた小さくため息をつくと

「わかったわ。それじゃとりあえずついてきて・・・・・・ただしそこのお友達はここでお別れね?」

「え、あはい。 まあ何か大事な話だろうし、わかったよ」

そう言って拓斗は僕と女の子とは別の本来の帰り道へ歩いて行った。

さて、これから僕らはどこへ向かうのかと思って拓斗から女の子へ視線を向けると

「とりあえずいくわよ」

僕に冷たくそういうと女の子はスタスタ歩き出した。

内心僕は怖がりながらも人生初の女の子と学校帰りに何処かへ寄り道するという健全な高校生らしい行動を取っている事になんともいえない優越感を味わいながら女の子の少し後ろをついていくのだった。



もはや間違いなく誰も見てないし待ってるわけもないだろうけどせっかく書いたんだから投稿しときます

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