第二話「始まり」
謎の少女ゼロから無理矢理持たされたビー玉にしか見えない小さな玉をポケットに突っ込み更に選りすぐったエロ本たちを持って帰宅。時刻は夕方6時、両親は仕事でまだ帰ってきてない、早速どれから楽しもうか・・・・・・等とゲス顔を浮かべていると携帯に着信。今時ガラケーとか周りの皆誰も使ってないってのに「あんたにはこれで十分でしょ?」と母に一蹴されそのまま使い続けている年季の入ったそれを取り出し名前表示を見ると幼稚園からの幼馴染の拓斗だった。
拓斗。川島拓斗は根暗でエロ本漁りが趣味の僕とは違い成長して小中高と年を重ねる毎にイケメンになっていき女子から毎日声をかけられ告白されたりしているそんなやつだ。だけど本人は面倒くさがりで恋愛とかそんなもん高校終わってからでもいいじゃんとか平気で言っている。勿論かといってアッチの趣味ではなく時折僕の部屋からエロ本を借りて行っては「この子すげえ好みで凄い良かったよ」と賢者顔で言ってきたりするのでちゃんと異性にはそれなりの性欲を持っている。
「拓斗のやつ、どうしたんだ? 僕はこれから忙しいっていうのに」
でも、長い付き合いの拓斗だからしょうがないかと通話ボタンを押すと
「あ、もしもし。堂これからちょっとそっち行っていいか?」
「あいや、ちょっとこれから僕、ほら勉強するからさ。ハハッ!!」
すぐに分かりそうな嘘をでっち上げた上に変な笑いまで出てしまった。それをすぐに拓斗は察して
「あ、ああ。 あれか性の勉強だな、分かった頑張れよ」
「うん、そうだね。じゃまた明日学校で」
そう言って電話を切ると僕は部屋に行き万が一のために部屋のドアの鍵を閉めてからお楽しみのエロ本たちを鞄から取り出した。そしてズボンを脱いだ時ポロッとビー玉が転がっていくのを拾い上げる。
「そういえば、あの変な女の子から貰ったんだったな・・・・・・力がどうとか言ってたけど。 これどう見たってビー玉にしか見えないよ」
頭の可哀想な子なのか、それとも未だに中二病患者なのか。どっちにしても今この瞬間この場所で僕を邪魔する事は何人たりとも許さん!
そして事を済ませた僕はすっきりした顔でシャワーを浴びて体もすっきりさせてからベッドに横になって天井を見上げながらボケーっとゼロの事を思い浮かべていた。
「胸も尻も凄かったなぁ・・・・・・それに顔も凄く綺麗で・・・・・・」
と、そんなゼロの主に身体つきの事を考えていると遠くで何かが爆発したような音が聞こえた。
「な、なんだ!?」
閉めていたカーテンと窓を開け外を見るとすっかり日は沈み代わりに街灯やらのイルミネーションで光り輝く街の中心部で黒煙が上がっているのが見えた。
「爆発? あんな街のど真ん中でなんて・・・・・・」
昨今のニュースを騒がせるテロだのなんだのとその類の事とは無関係だと思っていたこの街でまさかそれが起こったかそれとも何かの事故か・・・・・・。
時計は夜7時半両親が返ってくるのは8時半過ぎ。
「ちょっと行って見るだけ見て帰ってくれば間に合う・・・・・・よね」
野次馬根性に火がついた僕は簡単に着替えを済ませ戸締りを確認してから家を出て黒煙の元へと自転車を飛ばした。
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