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今日という過去、今日という未来

 妙に気温が低く感じられ、コートの襟を立てた。今日は暦でいうと、もう立冬になる。年が明ければもう卒業まではあっという間で、いつまでも続くと思っていたこの時間も、こうして麻子と二人で帰ることもなくなる。そう思うと側でただ伸びている廃線の線路もそれなりの哀愁を誘った。

 物思いに耽ると、半端な知識が浮かんでは消えていく。いつかの今日には地球のどこかで隕石が落ちていたこともあったらしいとか、北の国では革命が起きて国が生まれ変わったとか、偉大なコメディアンが生まれて、持久力に定評のある競走馬が死んだとか。もしかしたら遠い未来に大規模な作戦が行われる日になるかもしれない。

 この地球上では俺にはテレビや本を通じてしか想像もできないようなことが毎日起きていて、俺が運命の人に告白していることも、どこかの誰かには想像のつかないことになるのだろう。

 雪も降らないこんな寒い日、時間は午前十時半。俺たちの他には世界に誰もいないような静寂をただ靴がコンクリートを叩く音だけが耳に届く。白い息は周りを少し温めながら消えていき、同時に麻子の頬までも赤っぽく変えていくようだった。

「それで、答えは?」

「うるさい、わかってるくせに」

三種のお題組み合わせったーhttps://shindanmaker.com/192905からのお題。「立冬」「廃線の線路」「運命の人」。

ついでにお題ひねり出してみたhttps://shindanmaker.com/392860からのお題。『うるさい、わかってるくせに』。

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