赤い糸の伝説
貴女は初めから諦めていたのですね。
「赤い糸の話を知っていますか?」
私にそう言って話してくれたときにはもう既に。自分には手に入らないものだと割り切って。手を伸ばそうともしなかったのに。
「夢みたい、なんて夢見たいですよね」
差し伸べられた手は見ないふりをして、遠慮して、あまつさえ払いのけて。
「夢は結局夢だった」
貴女は別れのとき、そう言いましたね。あのときは何も言いませんでしたが。今でも言葉が見つかってはいませんが。私は悔しかったのです。それではまるで意味がなかったようじゃないですか。私がかけがえのない価値を感じていたものが、あなたにとってはとるに足らないものだったようじゃないですか。
「ったく、あんまり私を舐めないでくださいよ。人の気も知らないで」
とりあえずその場で屈伸。全力で走るのなんて生まれて初めてかもしれない。でも今度ばかりは足が折れようが肺が破けようが止まるわけにはいかない。
終わりと言ってしまうのはまだ早い。
「貴方を信じていいですか」
貴女のその言葉に、少しだけでも私への想いが籠っていたと今一度だけ自惚れて、答えを返しますから、待ってください。
「こんなやり方で、さよならなんて言わせない」
縛りプレイ小説お題ったーhttps://shindanmaker.comからのお題。〔人の気も知らないで〕です。〔パロディ禁止〕かつ〔「走る」描写必須〕。
【創作向け】100のお題から選んだーhttps://shindanmaker.com/196345からのお題。【71/さよならなんて言わせない】【67/貴方を信じていいですか】【78/夢は結局夢だった】。
妙なお題だけで三題話をしてみやがれったーhttps://shindanmaker.com/161245からのお題。「赤い糸の伝説」と「いってしまうのは」と「なめないでください」。
お題ひねり出してみたhttps://shindanmaker.com/392860からのお題。『ゆめみたいなんてゆめみたい』。




