告白のススメ
「急に呼び出したりしてごめん。どうしても伝えたいことがあったんだ。君と初めて会ったのは三ヶ月前のクラス替えだったね。その時は特に意識していたわけでもないんだけど。その後の親睦会でバーベキューに行ったとき、学級委員として場を仕切る君を見て、尊敬の気持ちを抱いたのが初めだったと思う。それからいろんな君の表情を見るうちにどんどん君に惹かれていった。僕としては君がこれからも側に居てくれると嬉しい。もちろん君の気持ちが一番大事だ。僕もいろんなことを考えた。だから、返事は急がない。ゆっくり考えて、返事を聞かせてほしい」
茜色の夕陽差す放課後の教室、遠く聞こえる野球部の練習している掛け声がなければ、世界に二人だけかと思うくらいの空間。これ以上ない告白のシチュエーション。彼はついに想い人に告白をした。しかし、どうやら彼女には想いが伝わなかったようだった。それは彼が立ち去った後に彼女が呟いた一言に表されている。
「なんだったんだろう……」
愛の告白というものは要するに、愛しているということが伝わりさえすればよい。
彼の人生はじめての告白は、あまり言葉を飾り立てすぎても本末転倒になるという、一つの他山の石である。
妙なお題だけで三題話をしてみやがれったーhttps://shindanmaker.com/161245からのお題。「なんだったんだろう」と「愛して」と「僕としては君が」。