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先輩のいない日々

 過ぎ去る秋の寒さに揺さぶられて、目が覚めた。自分の匂いが染み付いたベッドはそれなりに後ろ髪を引いたけれど、手早くジャージに着替えて外に出る。休日といえど走り込みを欠かせば次のレギュラーは望めない。それに先輩が姿を消してしまってから、これ以上日常を変えてしまうことはしたくなかった。

 いつものランニングコースの通り、家から真っ直ぐ来た道を最初の信号で左に折れる。枯葉舞う頃を終えて、大通りの街路樹はみんな丸裸になってしまっていた。

 今になって思い出すのはやはり先輩のいた日常の何気ない一場面ばかり。先輩の眼鏡の位置を直す仕草が好きだった。面白くもない冗談を言って自分で笑っているのが好きだった。

 コンビニエンスストアで一息つき、飲み物を買う。スポーツドリンクの代わりに、今日は缶コーヒーを選んだ。

 淋しくない、といえば嘘になる。コーヒーの匂いが今もなお、もう戻るはずのない日々を思い出させてしまうのだから。

 でも、さよなら、さよなら、またいつか。

 私はきっと、まだ朝の路地裏で待っているから。

「おい、そこの後輩。人を勝手に死んだみたいに言うな」

「スライムなどという人外になってしまった先輩なんて死んだ方がましです」

3題で小説書くったーhttps://shindanmaker.com/194081からのお題。『人外 』『先輩』『眼鏡』。


縛りプレイ小説お題ったーhttps://shindanmaker.com/467090からのお題。〔さよなら、さよなら、またいつか〕です。

〔句読点以外の記号禁止〕かつ〔「ベッド」の描写必須〕。


三種のお題組み合わせったーhttps://shindanmaker.com/192905からのお題。「枯葉舞う頃」「コンビニエンスストア」「淋しくない」。


恋愛お題ったーhttps://shindanmaker.com/28927からのお題。「朝の路地裏」で登場人物が「待つ」、「コーヒー」という単語を使ったお話。

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