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狸寝入りはすぐバレる

 夕方のプラネタリウムには、人がいない。いたとしても、私たちと同類。この時間、この場所に訪れた二人は永遠に別れてしまうと言われているから。

「ごめんな」

 髪を撫でる手を止めずに、頭から声が降ってくる。囁かれた言葉は近づかないと聞こえないくらい低い、私の好きな声が。

「ごめん」

 ここに来てからのことじゃない。彼の「好き」はいつのまにか「ごめん」に変わっていた。いつからそうなのか、考えようとしてやめた。

「お前のことはきっと絶対に忘れない」

 それはそうかもしれない。もう既に忘れていることを忘れることはできない。

「お前と過ごせて良かった」

 過去形の言葉に心が反応して震えた。心臓が少し鼓動の音を外してしまったのかも知れなかった。

 私がこのまま目覚めなかったらあなたを僅かの間でも留めることができるだろうか。あなたにとっての私はまだ、その程度の価値は認められているだろうか。

 こんな終わり方なんて、望んでない。

 みっともなくてもそう言えれば良かった。お互いに同じことを考えていてさえ、言葉にしなければ想いは伝わらないのだから。

 いっそ想いが全部、届けばいいのに、私たちは悲しいほどに別の生き物で、切なくなるほど別の人間だった。

恋愛お題ったーhttps://shindanmaker.com/196345からのお題。「夕方のプラネタリウム」で登場人物が「髪を撫でる」、「永遠」という単語を使ったお話。


【創作向け】100のお題から選んだーhttps://shindanmaker.com/196345からのお題。【24/絶対に忘れない】【41/狸寝入りはすぐバレる】【88/想い、全部、届け】。


お題ひねり出してみたhttps://shindanmaker.com/392860からのお題。『こんな終わり方なんて、望んでない』。

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