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僕の世界

 今、世界にこの場所以外の価値はない。君の匂いに満ちたこの部屋に君と僕がやっと二人きりでいる。時間も空間もなにもかもここだけで完結している。

 君の手は僕の心臓を握り出せてしまうほどの距離にある。

 君の足は既に僕の側に向かうという役目を終えて満足そうに横たわっている。

 君の黒い瞳には僕の姿以外の何も映っていないのが見える。

 君が少し囁くだけで僕の鼓膜を通り抜けて僕の脳を直接撫でられる。

 僕は君のことを何よりも大切に思ってる。お金よりも。世界よりも。僕よりも。誰よりも。君よりも。

 すぐそこにあるのに手を伸ばせない。

 そんなことがあるのか。

 そんなものがあるのか。

 君はここにいて、僕がここにいて、君と僕に流れる時間は同じで、君と僕の意思も同じなのに。違うはずなんて絶対にないのに。

「だって君は……僕が殺した」

 だから君も僕のことが……。

 なのに君は僕のことを突き飛ばそうと手を動かさない。

 僕から逃げようと足を動かさない。

 僕のことを視界から拒絶するために瞳を閉じない。

 僕の心を切り裂くような悲鳴をあげない。

「なんだ、答えはここにあったんだ」

 でも、それなら僕はどうすればいいんだ。

 君のために僕のために、僕は何をすればいいんだ。

縛りプレイ小説お題ったーhttps://shindanmaker.com/467090からのお題。『お題は〔手を伸ばせない〕です。〔キャラの年齢操作禁止〕かつ〔「声」の描写必須〕』。

お題ひねり出してみたhttps://shindanmaker.com/392860からのお題。『なんだ、答えはここにあった』。

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