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ポジティブ100%

 こうして屋上のフェンスの側に立つのは、もう何回目だろうか。

 ここはいつも風が吹いている。まるでここから飛び降りようとする者を押し止めるように。

「何を見てるんだ?」

 彼が不意に姿を現すことに最初こそ肩を跳ねさせられていたけれど、今ではもう慣れっこになっていた。

「いや。ここは高いなあって。ここから落ちたら死んじゃうな、と思ってさ」

 いくら辛いからといって、自殺なんてよくやるものだ。そのあと楽になる保証なんてどこにもないのに。

 人と人との関係なんて、「こんにちは」と「さよなら」があればいい。最初から期待なんてしなければ落胆することもない。そんな賭けをして、チップが減ったらどうする。増やし方が分かっているからできるのか。

 僕にはそんなことはできないけど、いつも心だけは前向きに。倒れるときは前のめり。それって、つまりはそういうことだろう?

「一つだけ忘れないでくれよ」

 そう言って彼は僕の大好きな、思い切り歯を見せる笑顔を浮かべて、親指で自分の胸を指した。

「ここにお前の最高の親友がいるってことを」

 その表情を見ると、僕も笑顔になれる気がした。

「君と友達になれて良かった」

 彼も僕も、出会ったときから変わらない。

【創作向け】100のお題から選んだーhttps://shindanmaker.com/196345からのお題。【こんにちはさようなら】【ポジティブ100%】【一つだけ忘れないで】。

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