28 雨森九馬は抗争に突っ込む
更新が1日遅れたことをお詫びいたします。
――恋人でもないのに。
九馬の胸の奥で、この言葉が引っかかった。
ゆゆの母・夜々に頼まれたとはいえ、さすがに過保護すぎたろうか。あのゆゆに対する態度として当然と思っていたが、それでも他者の目には異常に見えるのかもしれない。
それに、と九馬は眉間に皺を寄せた。
昔の小さくて愛らしい頼りないゆゆが、今もなおそのままとは限らない。交友関係にまで首を突っ込む自分を、顔には出さないものの、うざったく思っているのではないか。
――セーブするべきだ。
その結論に至った瞬間だった。
ドオン……ドオオン……
遠くの方から、破壊音が聞こえた。また抗争だろうか。まあ死者が出た以上、激化は避けられないだろう。日中たちはアジトに向かったらしいから、小さな王国だろう。それか躾の行き届いていない部下か……
いつの間にか、九馬の足は破壊音の方に向かっていた。
音の方に近づくにつれ、あちこちの破壊の跡が酷くなっていくのが、目に見えてわかった。あるところはガラスを割られ、あるところは壁を壊され、あるところでは負傷者も出ているようだった。さすがに死者はいない。
ふと前方に、見覚えのある影が見えた。倒れた女をかばう、金髪の男。
――さっき、カフェにいた奴じゃないか。
九馬はほぼ無意識に、彼らの方に近づいた。すると、レーザーのようなものが二人のあいだを貫き、瓦礫の山にトンネルを掘る。九馬が思わず身を固めると、銃を抱えた少年が物陰から出てきた。自分と同じ、銀色の髪をしている。
九馬は足音を忍ばせ、少年の後ろへと足早に回り込んだ。少年が通った路地裏に、大きめのペールが置いてある。九馬はその影に身をひそめると、聞き耳を立てた。靴底が柔らかい靴を履いておいて良かった、と思った。
その少年は凄みのある声で、倒れた二人にこう言った。
「お前ら……ちょっと来てもらおうか」
――なんだかよくわからんが……
――ヤバイ。
九馬はそう判断し、ポケットから薄手のニット帽を取り出した。かなり深めに被れるそれで顔を隠し、網目の隙間から前方を見据える。三人とも、九馬の存在には気がついていないらしい。
――チャンス!
九馬は足に力を入れると地を蹴って、体を空中に投げ出した。
ペールが派手に倒れる。
九馬は拳を握りしめる。
少年が後ろを振り向く。
メゴッ
少年の鼻筋が折れる音を皮膚で感じ、九馬は腕をスイングさせた。少年はその動きにしたがって、左方向にぶっ飛ぶ。着地点にあった瓦礫に、頭から突っ込む。
動かなくなった少年を見て、九馬はふとわれにかえった。
――やっちまった……
晴れ渡る青空は、九馬を抗争へと歓迎するかのように明るかった。
桜木れもんです。
いやー、大学に行って何を痛感したかって人間関係の複雑さですよ。超めんどくさい。高校の時はある程度常識がなくてもまあ許された。けど大学はちがうんですよ!非常識は許されない八割以上大人の世界なんですよ!「えっ!知らなかった」みたいなことまで「考えたらわかるでしょ」って感じに言われて無知に関しても容赦なしに糾弾されるんですよ!
何が言いたいかというと、ですね。
夜十時以降にサークル等の公的グループラ⚫ンで雑談するのはやめましょう
ってこと。
怒られました。先日。