27 古柄聡は銃をうつ
だいぶ短め
古柄聡は、自分が[一天]の中でマイノリティに所属していると自覚がある。坊領に侵された自分たちを拾ってくれた[一天]に感謝をささげているが、夢中になったときに狼前院の人たちの命令を聞けるかといったらそうでもない。そういうところがお前たちは駄目なんだと言われるたびに、聡はいらだちを抑えきれなかった。
俺たちだって[一天]のメンバーだ。血と悲鳴を前にしたら少し我を忘れるが、それだって大したことないだろう?
だいたい、狼前院の狂信者どもが頭がイッてるだけなんだ。
「だろ?」
返事はない。自分以外が倒れ伏しているのは知っている。
瓦礫の中から、複数のうめき声が聞こえる。赤い血がコンクリートの下から流れ出てきて、その聡の足元まで届いた。
興奮する。
聡はおろしていた銃を構え、今度はケーキ屋に向けて無駄に撃った。撃ったといっても、実弾ではない。銃を媒体にして、聡の能力であるレーザーを撃っただけだ。銃本体は創造できないのが問題だが、[一天]にいれば何の問題もない。
銃がガラス扉を貫通し、ガラスの破片が飛び散る。どこからか悲鳴が聞こえてくる。
ほら、こんなにも俺は強い。
聡の気持ちはシンプルだ。
壊したい。
折れた骨を踏みしめてあがる絶叫を噛みしめたい。
自分が上位者たる優越感を味わいたい。
そして、そんな自分の気持ちに自由でいたい。
聡が狼前院深夜と出会い、彼の友人になったのは、それゆえである。
深夜は自由なのだ。
戦闘に入った彼を前にすると、聡はぞくぞくとした気持ちが抑えられなくなる。日常の深夜は貧弱者と言ってもいいだが、平穏な日常を嫌っているわけではない。
上位者でいたいという点では、自分があらがえない[一天]の存在を、聡はわずらわしく思っていた――深層では。だから[一天]のメンバーとなり、[一天]と自分を同一に近づけることで、その気持ちを抑えたのだ。
ゆえに、[一天]の名を傷つける者は誰であっても許しがたい。
ガラスの破片とコンクリートをブーツで踏みしめ、道ともいえない道を歩いていく。建物の角をまがろうとしたところで、男女の声が聞こえてきた。どうやら意識を失って逃げ遅れたらしい。
聡は無造作に能力を放った。
「……外した」
残念ながら運よく生き残ったらしいが、問題ない。
聡は物陰から姿を出し、二人に通告した。
「お前ら……ちょっと、来てもらおうか」
「……はい」
この二人を連れていき、一般市民への攻撃であるこれを、[小さな王国]の仕業だと証言させる。深夜が言っていた、奴らの手口と同じだ。もっと確実で、シンプルで、頭がいい方法だが。
証言させるのは手間取るかもしれないが、素直にさせる方法ならいくらでも知っている。
こうして[一天]に貢献すれば、俺の忠誠心が認められるだろう。
「喜べ。深夜さんにお目通りできるんだ」
そう言うと、女が変なうめき声をあげたのが、聡には理解できなかった
ぎりぎり間に合いました!(?)
実は私もれもんと同じように演劇サークルに入っているのですが、昨日公演が終わりました。自由です!
単位は落ちませんでした。よかったです!(れもんがどうかは知らない




