第一話
ジリリリリリリリリリ、ピッ。
うるさい目覚まし時計と窓から入る太陽の光で目覚める。
おれの名前は《アヴェン・グラシアス》。ついこの前、15歳になったばかりだ。
この世界では、15歳になると能力というものが習得できる。
しかしおれはまだ習得していない。
なぜなら、まだどういった能力を習得しようか決まってないのだ……。
能力には、大きく分けて5種類ある。
一つめは、攻撃系だ。これはその名の通り相手を攻撃するための能力である。
二つめは、防御系だ。この能力はバリアを張ったりして身を守る能力である。
三つめは、補助系だ。主に回復などをする能力である。
四つめは、変身系だ。動物や植物といったものに変身できる能力である。
五つめは、万能系だ。万能系は他4つの能力がすべてできるという優れものだ。
でも万能系は、創造力が人の2~3倍はないと習得は難しいらしい。
今日、おれはその創造力の数値を測る試験をしに学校へ行く。
「いっけねぇ!もうこんな時間だ!早く準備しねぇとっ!」
「アヴェン!朝ごはんよー!」
母さんが二階にいるおれに向かって叫んでいる。おれはすぐに返事をする。
「はーい、今行くー」
そう言っておれは階段を降り、食卓へと向かった。テーブルの上にはトースト1枚と目玉焼きが置いてあった。おれはイスに座りトーストにかじりつく。
「さっさと食べて早く学校に行きなさいよ」
母さんはおれにそう言い、コップに牛乳をいれてくれた。おれはトーストの上に目玉焼きをのせ一気に口の中に詰め込み、牛乳で流し込んだ。少し詰まったが、なんとか飲み込めた。
「そろそろ行くか」
朝食を食べ終わり、自分の部屋で学校に行く準備をした。
「えーっと、持ち物はっと……」
おれは筆記用具に教科書、ノートそれから試験に必要な書類をカバンに入れ玄関へと向かった。途中、母さんがお弁当を持ってきて、それをカバンに入れた。そしておれは靴を履き元気よく、
「行ってきます!」
というと母さんが笑顔で、
「行ってらっしゃい」
と言った。
玄関を出ると家に前には金髪の少年がいた。
彼の名前は《レッズ・ガルシア》、小さい頃からの親友である。
「早く学校いかねーと遅刻するぜ」
そう言って、おれとレッズは学校に向かった。少し歩くと前には黒髪の少女がいた。
彼女の名前は《ユーナ・ジュレスト》、おれら二人の幼馴染だ。
「二人ともおっそーい!何分待ったと思ってんのよ!」
若干キレぎみだったので軽く謝った。それからまた少し歩くとレッズが話しかけてきた。
「いよいよだな、試験」
ユーナはうん、とうなずきおれはあぁ、と言った。
「お前らもう習得する能力は決まったのか?」
レッズが問いかけるとユーナが
「私はもう決まったよ」
と言った。
「マジか!?どんなのにしたんだ?教えてくれよ!」
「習得してからの秘密~♪」
「ちぇ、つまんねーの」
「じゃぁレッズはどんなのにしたの?」
今度はユーナがレッズに問う。
「おれか?おれはだな……やっぱ言ーわねぇ」
「何よー!自分だって言わないんじゃん!」
「習得してからのお楽しみ♪」
3人でアハハと笑ったら、レッズがまた問いかけた。今度はおれにだった。
「アヴェンはどんな能力にすんだ?」
おれは焦った。
「えーっと……うーん……考えてない」
「考えてねーのかよ!」
レッズに爆笑された……まぁ笑われるのも仕方がない。きっとおれには創造力が無いんだなっと、ちょっぴり落ち込んだ。
「まぁ試験を受けてから考えればいいのよ」
ユーナが慰めてくれた。そーだよな、受けてから考えればいいんだもんなと気持ちが楽になった。
「でも今日は本試験じゃなくて創造力を測定する試験なんだからね!」
そーいえばそーだった。ユーナが言ってくれなかったら勘違いするところだった。
「でも創造力のランクが低かったらドンマイだよな」
レッズの言葉がまたグサッっと心に刺さった。しかしすぐにユーナが大丈夫よとフォローしてくれた。
そんな会話をしていたら学校についた。試験は通常授業をした後の放課後だった。おれは試験のことしか頭に無かったが、昼休みになるとレッズが、
「昼飯食おうぜ」
と誘ってきた。もちろん一緒にお弁当をおいしく頂いた。
午後になってもぼーっと窓の外を眺めながら試験のことを考えていた。先生に怒られても無視だった。
~放課後~
キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン。
おれはカバンを肩に背負い、試験会場である体育館へと向かったのであった………
いやぁ第一話どうでしたか?
次はアヴェンがなんと……
この続きは次回で^^
次回もまた読んでくれると嬉しいです^^;