表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/12

卵1パックの重み

プロンプト

小説

地球にダンジョンが産まれたら

40代:守屋天もりやてん

非常勤

………物価高で苦しい…

ダンジョンに入って見るか…

スキル:鑑定極み

LV関係無く鑑定できる

解体線が見えて自動で線に沿って解体出来る


魔石…2000円

スライムの魔石で一般家庭の1ヶ月の電気代をまかなえる


物価高でダンジョンに食料を確保しにきた40代の成り上がり

地球にダンジョンが産まれたら ~物価高に負けない40代の解体無双~


第一章:卵1パックの重み


「また上がってる……」


スーパーの卵売り場の前で、守屋天もりやてんは深いため息をついた。

一年前まで二百円もしなかった10個入りのパックが、今や四百円に迫ろうとしている。非常勤の事務員として食いつなぐ天にとって、この「じわじわと真綿で首を絞められるような」物価高は、死活問題だった。


給与は上がらず、光熱費の請求書を見るたびに心臓が跳ね上がる。

そんな閉塞感に満ちた現代日本において、唯一の「希望」と呼ばれているのが、数年前に突如として世界各地に出現した『ダンジョン』だった。


「スライムの魔石一個で、一般家庭の電気代一ヶ月分、か……」


スマホのニュース画面を眺める。

そこには、若く華やかな『探索者』たちが、魔石を換金して大金を手にする姿が映し出されていた。


天には、宝くじに当たったような奇跡が一つだけあった。

ダンジョン発生と共に人類の一部に発現した『スキル』。

天が授かったのは、**【鑑定・極み】**という地味なものだった。


「四十代、独身、貯金わずか。失うものなんて、もう安いプライドくらいなもんだ」


天は、ホームセンターで購入した安物の登山靴と、護身用のバールを手に、近郊に現れた初等ダンジョン『多摩丘陵地下迷宮』の入り口に立っていた。


第二章:視える『解体線』


ダンジョンの空気はひんやりとしていて、カビと鉄錆が混ざったような独特の匂いがした。


「……いた」


通路の奥から、半透明の緑色の塊が這い寄ってくる。ダンジョンの最弱モンスター、スライムだ。

普通、初心者はこの弾力のある体に苦戦する。核を的確に射抜かなければ、倒すのに時間がかかるからだ。


しかし、天の視界は違っていた。


「これが、【鑑定・極み】の力か……」


スキルを発動した瞬間、スライムの透過した体の中に、まるでプラモデルのパーツを切り離すガイドのような、光り輝く『線』が見えた。


【対象:スライム(弱)】

【状態:核の露出度 80%】

【最適解体線:右斜め上 30度から一閃】


「……ふっ!」


天はバールを振り下ろした。

正確には、バールがその『線』に吸い込まれるように動いたのだ。

手応えは驚くほど軽かった。

プルン、という音と共にスライムの体が綺麗に二つに割れ、中心にあった親指ほどの結晶――魔石が転がり落ちる。


「自動で……線に沿って手が動くのか。これなら、俺でもやれる」


拾い上げた魔石を鑑定する。


【スライムの魔石(並)】

【市場価値:2,000円】


「二千円……。これで、明日の食卓に肉が並ぶ」


天の口角が自然と上がった。四十を過ぎて、初めて自分の人生に「攻略法」を見つけた瞬間だった。


第三章:成り上がりの予感


天の快進撃は止まらなかった。

本来、鑑定スキルには「対象とのレベル差」という壁がある。自分より強い魔物や貴重なアイテムは、レベルを上げなければ鑑定できないのがこの世界の常識だ。


だが、天のスキルは『極み』。

どれほど強力な魔物であろうと、どれほど深い階層の宝箱であろうと、その価値と「弱点(解体線)」を無条件で暴き出す。


「次は……あいつか」


角の向こうに、牙を生やした大きなネズミ――ジャイアントラットがいた。

通常、解体には専用のナイフと熟練の技術が必要で、毛皮を傷つけずに剥ぐのは至難の業だ。しかし、天にはやはり『線』が見えている。


「ここをこうして、こうだ」


バールをナイフに持ち替え、光る線をなぞる。

スルスルと、まるで服を脱がせるように毛皮が剥がれ、一分の傷もない「高品質な毛皮」が手に入った。


【ジャイアントラットの毛皮(極上)】

【市場価値:15,000円】


「一万五千円! 日給を軽く超えたぞ……」


手が震える。

物価高に怯え、スーパーの特売チラシを隅から隅まで読み込んでいた日々が、遠い過去のように感じられた。


天は確信した。

この鑑定眼と解体技術があれば、自分は「戦う」必要すらない。

最も効率よく、最も価値のある部分だけを、外科手術のような正確さで切り取っていけばいいのだ。


「守屋天、四十二歳。……遅咲きの成り上がり、始めさせてもらうか」


暗いダンジョンの奥へと続く道。

そこには、かつて絶望の色しか見えなかった天の瞳に、黄金色の「解体線」が幾重にも重なって輝いていた。

それは、彼がこれから掴み取る富のロードマップであった。

今日から不定期で投稿します

サトシのストーリーが終わったので次は天をよろしく全部書き終えてます(geminiが)

毎日投稿は予約でも疲れるから

2日に1回2話投稿かな?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ