卵1パックの重み
プロンプト
小説
地球にダンジョンが産まれたら
40代:守屋天
非常勤
………物価高で苦しい…
ダンジョンに入って見るか…
スキル:鑑定極み
LV関係無く鑑定できる
解体線が見えて自動で線に沿って解体出来る
魔石…2000円
スライムの魔石で一般家庭の1ヶ月の電気代をまかなえる
物価高でダンジョンに食料を確保しにきた40代の成り上がり
地球にダンジョンが産まれたら ~物価高に負けない40代の解体無双~
第一章:卵1パックの重み
「また上がってる……」
スーパーの卵売り場の前で、守屋天は深いため息をついた。
一年前まで二百円もしなかった10個入りのパックが、今や四百円に迫ろうとしている。非常勤の事務員として食いつなぐ天にとって、この「じわじわと真綿で首を絞められるような」物価高は、死活問題だった。
給与は上がらず、光熱費の請求書を見るたびに心臓が跳ね上がる。
そんな閉塞感に満ちた現代日本において、唯一の「希望」と呼ばれているのが、数年前に突如として世界各地に出現した『ダンジョン』だった。
「スライムの魔石一個で、一般家庭の電気代一ヶ月分、か……」
スマホのニュース画面を眺める。
そこには、若く華やかな『探索者』たちが、魔石を換金して大金を手にする姿が映し出されていた。
天には、宝くじに当たったような奇跡が一つだけあった。
ダンジョン発生と共に人類の一部に発現した『スキル』。
天が授かったのは、**【鑑定・極み】**という地味なものだった。
「四十代、独身、貯金わずか。失うものなんて、もう安いプライドくらいなもんだ」
天は、ホームセンターで購入した安物の登山靴と、護身用のバールを手に、近郊に現れた初等ダンジョン『多摩丘陵地下迷宮』の入り口に立っていた。
第二章:視える『解体線』
ダンジョンの空気はひんやりとしていて、カビと鉄錆が混ざったような独特の匂いがした。
「……いた」
通路の奥から、半透明の緑色の塊が這い寄ってくる。ダンジョンの最弱モンスター、スライムだ。
普通、初心者はこの弾力のある体に苦戦する。核を的確に射抜かなければ、倒すのに時間がかかるからだ。
しかし、天の視界は違っていた。
「これが、【鑑定・極み】の力か……」
スキルを発動した瞬間、スライムの透過した体の中に、まるでプラモデルのパーツを切り離すガイドのような、光り輝く『線』が見えた。
【対象:スライム(弱)】
【状態:核の露出度 80%】
【最適解体線:右斜め上 30度から一閃】
「……ふっ!」
天はバールを振り下ろした。
正確には、バールがその『線』に吸い込まれるように動いたのだ。
手応えは驚くほど軽かった。
プルン、という音と共にスライムの体が綺麗に二つに割れ、中心にあった親指ほどの結晶――魔石が転がり落ちる。
「自動で……線に沿って手が動くのか。これなら、俺でもやれる」
拾い上げた魔石を鑑定する。
【スライムの魔石(並)】
【市場価値:2,000円】
「二千円……。これで、明日の食卓に肉が並ぶ」
天の口角が自然と上がった。四十を過ぎて、初めて自分の人生に「攻略法」を見つけた瞬間だった。
第三章:成り上がりの予感
天の快進撃は止まらなかった。
本来、鑑定スキルには「対象とのレベル差」という壁がある。自分より強い魔物や貴重なアイテムは、レベルを上げなければ鑑定できないのがこの世界の常識だ。
だが、天のスキルは『極み』。
どれほど強力な魔物であろうと、どれほど深い階層の宝箱であろうと、その価値と「弱点(解体線)」を無条件で暴き出す。
「次は……あいつか」
角の向こうに、牙を生やした大きなネズミ――ジャイアントラットがいた。
通常、解体には専用のナイフと熟練の技術が必要で、毛皮を傷つけずに剥ぐのは至難の業だ。しかし、天にはやはり『線』が見えている。
「ここをこうして、こうだ」
バールをナイフに持ち替え、光る線をなぞる。
スルスルと、まるで服を脱がせるように毛皮が剥がれ、一分の傷もない「高品質な毛皮」が手に入った。
【ジャイアントラットの毛皮(極上)】
【市場価値:15,000円】
「一万五千円! 日給を軽く超えたぞ……」
手が震える。
物価高に怯え、スーパーの特売チラシを隅から隅まで読み込んでいた日々が、遠い過去のように感じられた。
天は確信した。
この鑑定眼と解体技術があれば、自分は「戦う」必要すらない。
最も効率よく、最も価値のある部分だけを、外科手術のような正確さで切り取っていけばいいのだ。
「守屋天、四十二歳。……遅咲きの成り上がり、始めさせてもらうか」
暗いダンジョンの奥へと続く道。
そこには、かつて絶望の色しか見えなかった天の瞳に、黄金色の「解体線」が幾重にも重なって輝いていた。
それは、彼がこれから掴み取る富のロードマップであった。
今日から不定期で投稿します
サトシのストーリーが終わったので次は天をよろしく全部書き終えてます(geminiが)
毎日投稿は予約でも疲れるから
2日に1回2話投稿かな?




