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Scene5(終幕):ナレーション ――「ぬるい夜明け」
朝が来た。
乾ききらない空気の中で、洞窟の奥に微かな光が差し込む。
その光は、七色の薄膜のように揺れながら、
スライムたちの体を静かに包みこんでいた。
会議の声が聞こえる。
言葉というより、音のようなぬめり。
やわらかく反響し、湿った壁を伝って滲んでいく。
その響きは、外の風と交わりながら、少しずつ遠ざかっていく。
“彼らは最弱だった。
だが、変わらないことを選び続けるという強さもまた、ひとつの形だった。”
カメラがゆっくりと引いていく。
洞窟の入り口には、ピュレが残した光の跡。
朝日がそれを照らし、虹色の反射を作る。
外の世界と、内側の湿りがかすかに溶け合う。
“洞窟の会議は今日も続いている。
世界を変えないまま、確かに世界の一部として――。”
光が強くなり、視界が白んでいく。
スライムたちの輪郭が、ゆるやかに溶けて消える。
最後に残るのは、湿った音だけ。
――“ぬめりの中で、彼らは世界を感じていた。”
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「最弱と言われたスライムたちの、革命にならない革命」
――ぬるい夜明けの中で、世界は静かに滲んでいた。




