24/25
Scene4:陽のあたる跡 ――「革命にならない革命」
朝。
洞窟の外では、光がしずかに滲んでいた。
夜の湿り気をまだわずかに残した空気が、
やわらかく揺らぎながら差し込んでくる。
ピュレが通った跡は、
地面に細い線となって残っていた。
それは乾ききらず、淡い水膜のように光を抱いている。
朝日を受けるたび、そこだけが虹のようにきらめいた。
リム=ブルーがその前に立ち、
外の空へと目を向ける。
外気が流れ込み、洞窟の奥で小さな波紋を起こした。
いつものぬめりに、
ほんの少しだけ違う風の匂いが混ざる。
「……世界は、もう少し湿って見える。」
リム=ブルーがそう呟いたとき、
誰も答えなかった。
ただ、スラ・グレイがゆっくりと体を傾け、
外の光を受けるように身を動かした。
その体表に、微かな反射が生まれる。
乾いた灰の中に、
ほんの一瞬だけ、色が差した。
それは“変わる”でも“戻る”でもない、
ただ、世界の境界が少し柔らかくなったというだけのこと。
けれど、そのわずかな揺らぎこそが――
彼らの長い夜に訪れた、
革命にならない革命の証だった。




