秘密の記憶
ある人の密談です
マライアは宿屋とは違う道を通っていく。マライアはあるところに辿り着く。マライアが三回ノックすると扉が開きマライアがそこに入っていく。中には低い声の男が座っていた。机の上鞘に収まったナイフが置いてあり、ナイフには帝国の紋章が刻まれている。男は鋭い目つきで睨みながら口を開いた。
「こっちから呼び出すなんてどうしたんだ」
それに対してマライアは答える。
「ルイス様が見つかったのです」
男は驚いて、マライアに質問する。
「賢者が生きてるのか!」
「生きております」
「本当に本人なんだよな」
マライアは事情を説明する。
「なんだ、違うじゃねえか」
マライアはそう言う男にすかさず反論する。
「魔王と戦って何かが起こったとすれば辻褄が合います」
「全部妄想に過ぎないじゃないか!」
「いえ、あともう一つ、わたしがレン様を見たとき、ルイス様を感じたのです。一番近くにいたわたしが言うのですから説得力があるでしょう?」
「そうか・・・」
「それなら、あとは帝国に連れてくだけじゃねえか」
「それが・・・ 肝心のルイス様が帝国へ行くことを拒否しているのですよ。だから自分から孤児院を出て帝国に行くことはないでしょうね」
「賢者様を孤児院から引き取るって言う選択肢はないのか」
「それがラストーノ王国では、孤児院から子供を引き取れるのはラストーノ王国民だけなんですよね。さらに私達の行動を勘づいてきてるのか子供関係が色々警戒されてるみたいですね」
「最悪だな。一体誰のせいでこんなことになったのだか」
「・・・はい、私がプラチナの鎧で駆け回ったのが原因です」
「あんな露骨に目立つ鎧着て、他国うろつくなんて、なんてバカなことをしてくれたんだ!指名手配が発行されてたぞ」
「・・・ルイス様が亡くなったと聞いてカッとなってしまいました。でもあれは帝国の紋章は書かれてないやつのはずなので所属はわからないはずですが」
「ああ、だから帝国はダンマリを決め込んでるな。俺を送り込んだのも情報を知ってるやつの口封じ的な役割もあった。だが、本当に賢者がいるなら話は別だ。賢者を手に入るなら実行する価値はある。だから俺の部下に自分から接触したんだろ」
「そうですね」
私は計画していることを語る。
「私はルイス様を攫おうと思います」
わたしはことの詳細を男に説明する
「なるほど賢者様の友達、メルを人質にとり、帝国に連れてきた後契約魔法で縛ると」
「どっちにしろ私はやらないとあとがないですからね」
「それで一つ問題があるのですが・・・」
「なんだ?」
「どうやらもうそろそろ厄介な人達が帰って来てしまうみたいなんです。なので街の外で足止めしといてください。やばかったら退散していいですよ」
「わかった」
「決行は、残念ながら夜は門が全てしまっているので朝にしましょう」
「では」
秘密の会議はこれにて終わったのだった。
そうかそうかつまりマライアはそう言うやつなんだな