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国賊の娘 王宮に下女として潜り込む。  作者: 髙龍


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五話

皿洗いは新人の仕事ということでフランは皿を洗っていた。

他の下女の人達は束の間の休憩を取っている。

「終わったかい?」

「はい」

最後の皿を洗え終え拭き終わったところだ。

「休憩がなくて悪いけど今から仕事に行くよ」

「わかりました」

フランは仕事道具に加え水を入れた桶を持って先輩達の後をついて行く。

道すがら注意事項を教えられた。

人が通った時は頭を下げること。

通行の邪魔にならないように注意すること。

注意事項はこの2つだった。

フラン達の仕事は王宮の廊下の掃除だった。

廊下は石で出来ており軽く水を撒いてブラシで汚れを落とし最後に布で水をふき取る。

確かに簡単な仕事である。

だが、広大な王宮を限られた人数で掃除することを考えれば気力と体力がいる。

それに加えて通行する人も多く作業はその度に中断した。

結局、その日の作業が終わるまで抜け出すようなチャンスは一度もなかった。

だが、焦る必要はない。

まずは仕事に慣れること。

それだけを考えて行動した。


美味しい夕食を食べ、軽く体を布で清めたら布団の中に潜り込む。

緊張して寝られないかもしれないと思ったが思っていたより疲れていたようで泥のように眠った。

次の日、朝早くに起こされる。

日はまだ出ていない時間だ。

お偉いさん達が出仕してくる前に外の通りを掃き掃除するのも下女達の仕事ということだった。

先輩達はテキパキと動いている。

フランも時折注意を受けながらも一生懸命に体を動かした。

日が昇る前に何とか掃き掃除を終わらせて下女小屋へと戻ってくる。

これから食材を貰いに行くということでフランも同行する。

調理場は少し離れた場所にあった。

先輩達は外に置かれた破棄された食材を物色し始める。

相変わらずこれが破棄される食材だというのだから王宮は凄いところだ。

そんなことを思いつつ箱を手押し車に乗せていく。

手押し車を押しながら下女小屋へと戻ると休んでいいというので椅子に腰かけてぐったりする。

街では色々やんちゃで活動的なフランではあったが慣れない仕事というのは思った以上に疲れるものだ。

「疲れたかい?これでも飲んでゆっくりしてな」

そう言ってリリーさんが良い匂いのする湯飲みを渡してくれる。

「ありがとうございます」

湯飲みの中の物を飲むと少し甘くスッキリしたハーブティーだった。

まるで疲れが溶けていくようだ。

程なくして朝食が運ばれてくる。

今日はまだまだこれからだ。

気合を入れなおすように料理を口に運ぶのだった。

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