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国賊の娘 王宮に下女として潜り込む。  作者: 髙龍


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十四話

王宮の下女小屋に戻るとそこには見たこともない料理が並んでいた。

フランが侍女になるということで特別に王宮の料理人が用意してくれたらしい。

炊き出しで貰えなかった人が出たので内心は複雑だったがせっかく用意してくれたのだからと頂くことになった。

どの料理も手が込んでいて偉い人達は普段このような食事をしているのかと話のタネは尽きない。

下女仲間達とこんな料理が食べられるなんて夢のような一時だった。

楽しい時間はあっという間に過ぎるもので料理もなくなり寝ることになった。

この場所で寝るのも今日で最後かと思うと込みあげてくるものがある。

最初はうまくやっていけるだろうかと不安だったが下女仲間達はみんないい人ですっかりこの場所が自分の居場所となっていたのだと痛感する。

明日は朝食を取ったら迎えの人が来るという。

期待と不安に包まれながら眠りについた。


普段通りの時間に起きる。

朝の掃き掃除はしなくてもいいと言われたのだが感謝を込めて自分も参加することにした。

掃き掃除も無事に終わり下女小屋での最後の食事をする。

リリーさんの作ってくれた朝食はとても安心する味だった。

他の皆は仕事に出かけていきリリーさんと2人出迎えの人を待つ。

しばらく待っていると眼鏡をかけた侍女の人がやってきた。

リリーさんはこの子のことをお願いしますと言って頭を下げ送り出してくれた。


侍女の人について王宮を歩く。

人が通りかかるとつい、頭を下げてしまうのだが一般の官吏や見回りの兵士には頭を下げなくていいと怒られてしまった。

一々頭を下げていたら仕事にならないとのことだった。

かなりの距離を歩いたなと思ったら迎えの侍女の人が振り返った。

「ここから先はすれ違った人に頭を下げてね」

そう言われ再び歩きはじまる。

すれ違う人達は皆、見るからに高そうな服を着ていた。

見回りの兵士も騎士へと変わり重要な部署なのだと嫌でも実感する。

少し歩くと王宮の雰囲気が変わった。

「ここから先は女性専用のエリアよ」

どうやら王宮には男性は立ち入り禁止のエリアがあるらしい。

黙ってしばらくついていくと1つの部屋に入っていった。

「まずはお風呂に入りなさい。普段はこの時間は湯が沸いていないのだけど貴方が来るから特別に湯を張ってあるわ」

「わざわざすみません」

「身だしなみを整えるのも私達の仕事よ」

そう言って案内役の侍女の人は服を脱ぎだした。

慌てて自分も服を脱ぐ。

後に続いてお風呂場に入るのだった。

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