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国賊の娘 王宮に下女として潜り込む。  作者: 髙龍


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十三話

ダフネ達のことは気になったが下女として働く現状、様子を見に行くことは出来なかった。

数日が経ったある日、リリーさんが上から呼び出され夜遅くに戻ってきた。

戻ってくるなり「あんた達、明日は街に行くよ」と言われた。

「何かあったんですか?」

「上からのお達しでね。炊き出しに協力してくれって」

フランは誰がこれを言い出したのか何となくわかった。

こんなお節介を焼くのはきっとあの人だろう。

王宮全体を巻き込み慈善事業を起こしてしまうなんて凄いことだ。

「それとね。フラン。あんたと仕事をするのはこれが最後になる」

「えっ・・・?私、首ですか?」

「いんや。ある人の推薦でね。あんたは侍女に移動することになった」

「私が侍女に?」

「あんたは危なっかしい。だからだろうね」

下女は王宮での立場が最も低い。

「侍女になれば今までよりは安全になる。まぁ、由緒ある血統やら豪商の娘なんかが同僚になるんだ。ここではしなかった苦労もするだろうけど頑張りな」

「はい。でも、今は最後の仕事に集中しますね」

「その意気だ。他の皆もよろしく頼むよ」


翌日、王宮の掃き仕事を終えた下女達は街へと乗り出した。

食材や調理道具などは既に運び込まれているとのことで着の身着のままで街の広場へと向かう。

まともに食べられなかった人は胃が弱っている可能性もあるため野菜をよく煮込んだスープを作ることになった。

野菜を細かく切る作業を繰り返す。

普段から自分達の食事を作っているのでこの辺は手慣れた作業だ。

材料が切り終わったところで大きな鍋に水を入れ沸騰させる。

沸騰してきたら火の通りにくい野菜から入れていき最後に塩を加える。

辺りに良い匂いが漂いはじめ噂を聞いた人達が集まってくる。

集まってきた人達は衛兵達が整理して一列に並んでいる。

そこからはひたすら忙しかった。

用意していたお椀に野菜スープを入れて渡し、返却されたお椀とフォークを洗う。

そんなことを繰り返している間にスープはなくなっていた。

残念ながら貰い損ねた人も出たようで文句を言っているのを衛兵達が宥めている。

何とかしてあげたいところだが材料がないのではどうすることもできない。

衛兵の1人がやってきてトラブルに巻き込まれないうちに王宮へど戻ることになった。

毎日、炊き出しをするわけにはいかないが今後は定期的に炊き出しをすることになるそうだ。



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