表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/8

勇者が高校生と入れ替わったら 5

♢アニオタ勇者と元勇者の高校生 


「それで、るみかさんと付き合いはうまくいっているの?」

 今日は部屋でテレビ越しに連絡していた。

 なんとゲームの国でもテレビがあってテレビと僕の部屋のテレビや勇者のもつスマホがつながることがわかったのだ。それは大変不思議なことだが、僕と勇者ミカゲが所有しているものであれば、話したいときにテレビ電話として使えるという法則のようだ。大変便利でありがたい法則があったものだ。


「付き合うってそもそもなんだ? 昼飯を一緒に食べたり、スマホで連絡することなのか?」


「ミカゲは付き合ったことないの?」


「……ない」


「勇者なのに?」


「勇者と恋人は別物だろう。それにキャラ設定にそういう設定がなかったのだ」


「一部ファンの間ではミカルマっていうカップリングが流行していたんだけどね」


「ミカルマ……だと?」


「ファンの間では、ミカゲとルマがお似合いで、カップルとしてイラストや小説を書く人が結構いるよ。実際のところどうなの? 僕もイチファンとして知りたいかな」


「ふざけるな! なぜ俺様が、あの女医とカップルにならないといけないのだ!! ありえん」

 怒りをあらわにする勇者。


「二人の間に何か嫌なできごとでもあったの?」


「会えば嫌味しか言わないような女だぞ。俺様的にあのような言動が気に障るだけだ」


「なーんだ、それだけか」


「今もあの女のところに世話になっているのか?」


「うん。ミカゲは普段どこで寝泊まりしていたの?」


「旅をしているときは、木陰とか洞窟とか……一応、村に俺の家はあるが、誰も今は住んでいない。そこへ行け」


「えー、意外と地味だなぁ。もう少しルマ先生のところにいたいなぁ。宿賃ないから今、住み込みで働いているんだよね」


「あのメギツネのような女医の所でか? 今、貴様は俺様なんだぞ。住み込みの仕事だと? 俺様のプライドが許さん」


「でも、今はこの体は僕のものだから、好きにさせてほしいな」

「じゃあこっちも、るみかという女とは別れる」

「わかったよ。別れてもいいから、そのかわり、僕はここで住み込みの仕事をするから」


 そう言うとミカゲはガチャリとテレビを切ってしまった。よほどルマ先生が気に入らないのだろうか?


 るみかちゃんよりも僕は大ファンのルマ先生をとる。どうせ元の世界に戻ればもうこんな美しい女性には会えないのだから……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ