表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

俺様勇者が高校生と入れ替わったら1

♢アニオタのゲーマーが勇者になったら 僕視点


 ここはどこだ?

 僕は自分の部屋で大好きなアニメのゲームをしていたはずだ。

 ふと意識が飛んだと思ったら、知らない扉があったのだ。扉をを開けると――

 周りを見渡してみる。そこには、知らない風景が広がっていた。おかしい……日本のいつもの風景とは違う。


 そこは僕の大好きなアニメの世界と同じ風景だったのだ。

 あまりにのめり込みすぎて夢でもみているのかもしれない。


 でも、夢にしては妙にリアルで、風のにおいも木々のにおいもちゃんと感じるのだ。都会にはいまはほとんどなくなった土があって、土の感触もにおいもあるのだ。正直土に触るのは久しぶりだった。


 おっと、自然を感じている場合ではない。

 僕はこのアニメゲームの世界を熟知している。

 だからどこに何があるとか誰がいるとか、たいていのことはわかるのだ。頭の中にある地図を頼りに歩いてみる。この世界は広い。

 最近、あまり歩かない僕は久しぶりのウォーキングとなった。


 自分の洋服を見下ろすとさっき着ていたトレーナーとスェットではなくなっていた。アニメゲームの主人公である勇者の格好に変身していた。


 これはきっと夢だ。

 夢ならばとことん遊んでやろう。楽しまなければ損だ。こんなにリアルに体験できることなど滅多にない。


 背中に剣を背負っているが運動不足の僕でも重く感じることなく歩くことができる。勇者だからだろうか? もやしっこの僕でもいくら歩いても疲れない。勇者だからだろうか? 勇者って最強じゃないのか?


 森を進むと敵が現れた。雑魚キャラだ。こんなの僕の敵じゃない。勇者となった僕は剣で敵をどんどんやっつけた。現実世界でケンカをしたこともないし、武道もしたこともない僕が、こんなにあでやかに剣を扱えること自体、信じられないことだが……。――もしかして、僕は勇者になってしまったのだろうか?



 僕は、ずっと疑問だった。勇者っていつも誰かにコントロールされていて、自分の意志が持てないことに不満じゃないのかって。だって、ゲームのキャラクターはプレイヤーによって命すら左右されるわけで、何かしら不満があるのではないかと思っていた。でも、今の俺は、意思があり自由がある。操り人形ではない。こんな勇者ならば、わりとアリだと思えた。だって、かっこいいじゃないか、見た目も装備も。


 どうせ生きるのならば、現実よりバーチャルのほうがずっといい。だって、ゲームキャラクターは不老不死だからな。何度でもやり直すことが出きるし、何度でも生き返ることができる。それって最強じゃないか!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ