やんでるよ
あなたはずっと、綺麗なままでいいんです。
僕がずっと、守ってあげますから。
だから、外なんか見なくていい。
ね、僕だけを見て。
あなたは僕の物だから。
ふふ、所有物、ってところですね。
ああ、そういえば。
あなたにちょっかいをかける奴、もう居ないですよ。
だから、もう嫌だと嘆かなくて良いんですよ。
もし、またそういう奴が出るようでしたら、遠慮なく僕に言って下さい。
また、消してあげますから。
……そんな顔しないで下さいよ。
あなたのことを思ってやったのに。
狂ってる?
良く言われます。
あなたのことを誰よりも思っているのは他の誰でもない僕ですよ。
だから、泣かなくていい。
彼氏からの連絡が無い?
そりゃそうですよ。
だってあなたの彼氏、さっき首と胴体が離れましたから。
断末魔が聞けなかったのは少し残念でしたが。
通報?
したって無理ですよ
だって彼に関する情報なんか、これっぽっちも無いんですから。
え?何で無いか、って?
当たり前ですよ。
さっき食べてたの、あなたの彼氏ですから。
おいしかったでしょう?
ああ、吐かないで下さいよ。
あ、分かりました。
もっと食べたいから吐いたんですね。
それだったら辻褄が合います。
そんなに彼のことを嫌いになっていたんですね。
大丈夫ですよ。
もう居ませんから。
では、持ってきますね。
逃げてはいけませんよ。
逃げられる状況では無いでしょうが。
その鎖はあなたが死んでも取りませんよ。
あなたは死んでも僕のところに残るんです。
あああ、なんて素敵なんでしょう!
ずっと一緒に居られるんですよ。
もっと喜んで下さいよ。
嬉しいでしょう?
嬉しいって言って下さいよ。
ねぇ。
そうでもしないと僕の存在価値はなくなって仕舞うじゃないですか。
ほら、早く言わないと。
絶対言わないつもりですね。
では、お仕置きです。
此処に一本のナイフとフォークがあります。
さて、あなたに選ばせてあげましょう。
フォークだけを使って、目を抉られるのと、
ナイフとフォーク両方を使って、内臓を掻き出されるのと、
どちらが良いですか?
僕的には前者をおすすめしますよ。
神経を切って仕舞えばあとに残るのは空洞だけです。
つまり、何も見なくて済むようになるんですよ。
素敵でしょう?
だって、この薄汚い世界を見なくて済むんですから。
大丈夫ですよ。
抉り出した目は僕が頂きますから。