夢物語とリアリティ
「ねぇ、もし王様になれたら何したい?」
ベッドの上から出れない君はどこか遠くを見つめて僕に質問した
「君と結婚できるようにするかな」
そういうと彼女は乾いたように笑った
少しの沈黙
僕は彼女の体を濡れたタオルで拭く
前まで遠慮して拭かせてくれなかったが今はすんなりと拭かせてくれる、彼女は僕のことを信頼してくれているのだろう。
「それじゃあ、また来るね」
僕は寝室に戻り一休みするとしよう。
ピピピピピ
スマホのアラームで目が覚める
時刻は午後5時半
そろそろ夜ご飯の時間だ
彼女にご飯を食べさせるために階段をおりる
今日は彼女の好きな卵がゆ、白く舞う湯気が食欲をそそる
階段を降りるにつれ冷たくなる床
扉の鍵を開けようとお盆を床に置き鍵をさす
鍵を回すが手応えはなくガチャという音もならない
嫌な予感がした
卵がゆなんでどうでいい、お盆を投げ捨て勢いよく扉を開けるがそこには僕の天使はいなかった
なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで
良くないことが脳裏をよぎる
リビングの窓から見える赤と青の光が僕を現実に引き戻した。
読んでいただきありがとうございました。