第12話 忍び込んだのは誰だ?
第一章 量子重力理論に基づく特異点結合
第12話 忍び込んだのは誰だ?
◇◇一般生徒視点◇◇
「あ~、下校の時間になってしまった。琢磨さんを見つめることができない」
「琢磨さんと美月さんって本当にお似合いね」
「琢磨さんを殴ることができるなんて、美月さんぐらいよね」
「あ~、わたしも殴られたいわ・・・」
「今日も尊い。ごちそうさまでした。」
「鼻にティッシュを詰めたお姿もなんだか凛々しいわ」
生徒たちは二人の姿を見ながら、ひそひそと話している。
その時、琢磨がふっと振り向き、みんなの方を向いた。
その瞬間、生徒たちは全員スッと目を逸らした・・・。
◇◇琢磨◇◇
うぅ、やっぱり嫌われているな。
そんな、みんな無視しなくても・・・。
目も合わせてくれないなんて。
美月も俺なんかといて嫌われてしまわないかな。
美月は、あの事故以降、しきりに俺の身体のことを心配してくれている。
まあ、今日殴られて頭に強い衝撃を受けたけども(苦笑い)
その件もあって、今日は一緒に帰るんだといってきかない。
俺なんかに無理に付き合わなくてもいいのに。
まあでも独りだと寂しいからありがたいけど。
帰り道、なんか向こうのほうから豆の介のような姿が見える。
おっ、やっぱりそうだ。
白装束の咲さんと一緒にお散歩かな?
う~ん、あの左腕がうずうずしている時に、豆の介を感じたような気がするけど。
ははっ、俺もだいぶあいつにはまってきてるのかな。
あの小さいモフモフはたまらなくかわいいし、仕方がない。
そうして俺は、豆の介のところに小走りで近づいて行ったのだった。
◇◇美月◇◇
やってしまった。
わたしは、なんてことを・・・。
大丈夫かしら?
白目向いて意識を失ってるなんて・・・、
生きているかしら?
事故に巻き込まれて身体を痛めているはずの琢磨に、わたしはとどめの一撃を食らわせてしまった。
障害が残ってしまったら・・・。
一生わたしが面倒みるしかないわね、うん。
まわりのクラスメートが見ていて恥ずかしいけど、今は気にしている場合ではないわ。
私は琢磨を膝枕して、頭を撫でる。
そして顔を近づけてみる。
ちゃんと息はしているわね。
クラスメートから小さい悲鳴のようなものが聞こえた気がするけど・・・気のせいね。
・・・
あっ、琢磨が意識を取り戻したみたい。
よかった~。
ううん、まだわかんないわ。
今日は私が一日しっかり見ていないと。
だから、帰りも一緒に帰らないと。
琢磨はなんか、顔を赤くして謝ってくるけど、ナンノコトダカワカラナイ。
ナンノコトダカワカラナイ。
「気にしてないわ」
『そっ、そうか。ならよかった』
「ええ、だから、今日も一緒に帰りましょ」
『そっ、そうか。まあ、家の方向も一緒だからな。でも、俺なんかと無理して一緒に帰んなくてもいいんだぞ。』
「ううん。わたしが一緒にいたいだけ」
きゃっ、というクラスメートの小さい悲鳴が聞こえた。
教室の空気が一瞬ピンク色になった気がする。
言葉のチョイスを誤ったかしら・・・?
琢磨はちょっと上を見上げたかと思うと、す~と鼻血がでてきた。
あっ、やっぱり私のとどめの一撃で頭に障害が?
大変。
はやくティッシュを!
私は素早く琢磨の鼻にティッシュを突っ込んだ。
『すまない。では、帰るとするか』
「うん。」
帰り道。
あの時の、犬がいた。
豆の介というらしい。
琢磨が命懸けで助けたのだから、もっときりっと締まった顔をしなさいよ。
琢磨も豆の介もデレデレしすぎよ。
・・・まあ、可愛いのは認めるけども。
でも、あんなに撫でてもらってるなんて・・・
いいなぁ・・・。
◇◇マメノスケ◇◇
みんなで館に帰ってきた。
なかなかに、楽しき散歩じゃったな。
お~、そういえばダンジョンや鬼なんぞは見当たらなかったな?
どこにあるんだろうか?
タクマはジャージに着替えるとさっそくDIYに精をだす。
『豆の介、お前の犬小屋がもうすぐ完成するからな!まってろよ!』
タクマが犬小屋の方を指さす。
すると、その小屋の中に何かが確実にいた!
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