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ブラッドツインズ〜薔薇の印に捧ぐセレナーデ〜  作者: キイロ 林檎
序曲✣始まりの狂想曲
7/11

♪ 06 運命の連弾

『ブラッドツインズ〜薔薇の印に捧ぐセレナーデ〜』を訪問頂きありがとうございます



長い背景説明にお付き合い頂いている方はありがとうございます

ヒロインの過去の話は今回で終わりますので引き続きお付き合い頂ければ幸いで御座います






「 それは…… 軽率だったね。申し訳ない 」







リリーお婆さんが私が人前でピアノを弾けない理由を話すとギルバート氏は益々バツの悪そうに眉を下げて再び謝った。







「…… !? いいえ…… 私の方こそ、急な来客に驚いてしまって…… ごめんなさい 」









軽い口調とは裏腹に頭を下げて謝る姿からは誠意を感じた。


もとより客人が着た途端に演奏を止めたのは私に問題があるのだからギルバート氏を責めるのは違う気がする。


私はピアノ用の長椅子から立ち上がり恐る恐るギルバート氏に向き合うと自分が悪かったと謝罪の気持ちを慌てて並べた。









「私は学校の宿題をしなければいけないので。気にせずゆっくりして…… 」








「宿題ならもう終わっているじゃない。折角じゃしギルバート殿にお相手してもらったらどうかね」








先程までピアノを弾いていたので宿題はとっくに終わっていたがこの場から離れようと適当な言い訳を述べるも言い終わらないうちにリリーお婆さんによって遮られた。



悪戯に微笑むリリーお婆さんに嫌な予感がした。















嫌な予感は当たっていた。


リリーお婆さんはギルバート氏に狂想曲の連弾相手をしてもらえないかと言うのだ。


リリーお婆さんは才能があるのに人前で演奏を披露する事が出来ない事を勿体なく感じていたらしくあがり症を克服するあらゆる方法を考えては試してくれた。


どの方法も成功する事は無かったが


リリーお婆さんは他人の前で演奏する出来る事が出来なくても一緒に演奏する事から始めてみてはどうかと考えたようだ。


私は長く複雑な狂想曲を早いこと習得する事ばかりを意識していたので連弾を想定して書かれたものだとリリーお婆さんに言われて改めて楽譜を見て始めて気づいた。








「俺でよければ…… お相手してくれるかな?」









ギルバート氏はしばらく考え込む仕草を見せたものの

屈んで私の方に視線を合わせると柔らかな微笑みを浮かべた。


今日初めて会ったばかりの人と一緒にピアノを演奏をする事に自信は持てない。


それでも……


ギルバート氏の優しい眼差しに私は、今まで私のあがり症を克服しようと色々試みてくれたリリーお婆さんに報いる為にもこの提案に乗ってみようと決心するとこくりと頷いてみせた。















2人で並んで座る事が出来る充分な広さのあるピアノ用の背もたれのない白い革の長椅子にギルバート氏と並んで狂想曲を連弾する。


知り合って間もないギルバート氏との連弾に最初は鍵盤に触れる指が緊張で強ばったもののギルバート氏の美しく情熱的な旋律に釣られるようにして私も負けじと熱を込めた音色を奏でる。


初めての連弾であったが自然と鍵盤を奏でる指に徐々に初めてという感覚は無くなっていた。














序曲(6)を最後までお読み頂いた方はありがとうございます


長々続いた過去話に最初から最後までお付き合い頂いた方に御礼申し上げます


ヒロインの背景説明がだらだらと続いた序曲も次回で完結致しますので良ければ引き続きお付き合い頂ければ幸いでございます







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