表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
bokura19  作者: 千祈
1/1

第壱話  双子

君は僕に聞いたの。


「生きてるの?」


そうしたら僕は逆に返したの。


「じゃぁ、生きてたらどうなるの?」


君は目を瞠って無表情になった。


「生きてるとしたら君は誰だい?」


僕を丸々否定するような言葉、思わず耳を疑った。


「じゃぁ、ねぇ?君は僕を誰だと思いますか?」


君の深海色ダークサファイアが細まった気がした。


「君は君の偽物レプリカだよ。」


偽物レプリカということは作り物と君はいっているのだろうか?


「その黄金きんの髪も、その深紅ダークレッドの瞳も全部、絡繰おもちゃだよ。」


暗示のように君は囁く。


でも僕は何故か微笑を浮かべた。


「名前は?君と僕の、名前くらいあるでしょ。」


「言ったろう?君は君の偽物レプリカなんだよ。名前なんて・・・・・。」


「だったら、君の。」


口唇が少し動いた気がした。小さい声でうまく聞こえない。


「聞こえないよ。何、ちゃんといって。」


深海みうみ、深い海。」


「やっぱりね、僕を作ったのは君だ。」


僕は君に作られた偽物レプリカ


誰の偽物レプリカかは知らない。


「名前を、呼んでよ。君が作ったんだ。」


「よく分かったね。さすが僕の作った偽物レプリカ。」


にっこりと微笑み君は言う。


「僕は、君の偽者レプリカでしょ・・・?」


そこまで言って不意に顔を見合わせた。


「もうやめようよ。」


「ん、後ちょっとで終わりなのに・・・・。」


深海は物足りなさそうに唇を窄め文句を言う。


「だって。僕、偽者レプリカの役なんだよ?」


「僕だって最終的に偽者レプリカって終り方だったのに。」


そう言い合ってニッコリとそっくりな顔で笑った。


深空みそら海へ行こうか。」


深い青い眼で窓の外を眺めて言う。


「ん、いいよ。」


波は穏やかで心地よい風も吹いている。


海の青さと広がる夕焼けは自分達の瞳とまったく違う輝きを放っている。


部屋の中で意味のない二人だけの劇をやっても時間の無駄だった。


「僕らは双子だもんね。偽者レプリカなんかじゃなくて。」


握った手は暖かい。



僕らは、生きているんだ。



騙されてくれたらなー、と読んだ人怒ってますよね;;

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ