あなたは何を求めたか
いつか私は問われるだろう
コーヒー色の夢の宇宙に
円周率を刻むなら
銀の林檎に抱かれた夜は
眼球みたいにサーカスだ
いつか私は知るだろう
孤独なパンの密室が
方法懐疑のマッチでも
チェスの墓標と鉛の海は
ひまわりみたいにオルゴール
いつか私は朽ちるだろう
作りかけのプラモデルが
ネクタイを直しながら
「何のために僕を求めた」と呟いて
真っ白な原稿用紙は
髪を整えながら
「僕を求めて何を得た」と繰り返す
私の周りのすべてのものが
私のもとへと大行進
あなたの周りのすべてのものが
あなたのもとへと大行進
すべては私を殺すため
すべてはあなたを殺すため
お初にお目にかかります、幻楼灯姫と申します。
以後、お見知りおきを。




