【大募集中クエスト】ダンジョン内温泉にいる魔獣ガロームのたまごを破壊せよ!【大募集中クエスト】
なろうラジオ大賞用小説第一弾!
ガロームの卵の破壊クエスト。
昨日、そんなクエストの依頼書がギルド掲示板に出てた。
ガローム。
それは俺が現在いる冒険者ギルドがある地域のあるダンジョンにいる温泉を棲家とする魔獣。
そして“ある事情”により魔獣よりも先に卵を攻撃せねばならない魔獣だ。
「デルクさん、大変です!」
そんな依頼書が出た次の日。
その依頼を受けると前もって受付に言い、そのための準備をしてた時。
それを伝えた受付嬢が大慌てで、ギルドに向かう途中だった俺にわざわざ会いに来て言った。
「つい先ほど、フリーの冒険者パーティが、ガロームに関する説明を受けず勝手にダンジョンに行った事が判明しまして!」
なんだと?
「しかもその冒険者パーティ、余所で相当高い戦績を収めてるせいで調子乗ってて親ガロームを先に討伐する気満々で!」
おいおい。
余所じゃ魔獣を狩れば狩るだけありがたられたかもしれんが。
この辺りじゃ決まりが違うし、それに……。
※
「馬鹿な!」
「奴のケガがすぐ回復だと!?」
「奴は不死身なのか!?」
鳥のようであり天鼠のようでもある容姿。
口から赤色の熱線を発射しさらに負ったケガが瞬時に回復。
熱線はともかくその回復力を前にそのパーティは苦戦を強いられていた。
さらに場所はダンジョン内温泉。
それも源泉に限りなく近い場での戦闘だったためそのパーティは熱中症になっていた。
「くそっ! こうなるんだったら説明聞いとけばよかったぜ!」
「今それ言ってもしょうがないだろ!? それより逃げる方法考えろ!」
「あいつ、なんて速さだ。それに俺達の居場所が分かるような能力があるのかすぐに俺達の……あれ?」
ガロームから逃げる最中の事。
パーティの一人が一つの事実に気付く。
「おいどうした?」
「な、なぁ」
何かに気付いたパーティの一人は。
仲間の一人の質問に……滝汗をかきつつ答えた。
「あの魔獣、一体しかいないのに……なんで卵があんの?」
その魔獣が先ほど座ってた場所にある、大量の卵を遠目で見つつ。
すると、その時。
卵の内のいくつかにヒビが入り――。
※
ガロームは単為生殖が可能な魔獣だ。
しかも奴はダンジョン内の熱や魔力を操作し回復や孵化を促せる恐ろしい魔獣である。
よって卵は温泉卵にできんし。
ダンジョン内で大量の魔力は使えん。
熱と魔力のせいで個体数が増えるからな。
だから奴と戦う時、氷雪系や破壊力特化な存在が必要なんだが、忙しくなるぜ。早く個体数が増える前に卵を破壊せんと大変な事に――。
なお殲滅はダンジョン内の生態系が崩れ予想外の環境に変貌してしまいかねないのでその選択肢だけはダメです(;゜Д゜)