3ー2
「私の村は決して豊かでは有りませんが皆さんとても優しくてのどかなところです。なのでトランさんにも気に入っていただけたらと思います。着きました。ここが私の、、、えっ!!!」
そこにはアンの言った村とは到底かけ離れていた。
モンスターが騎士団と争い、村の囲った柵は壊れ、家も所々破損している。村人達は一箇所に集まり死人は出ていない。
騎士団は小規模編成だろう。20人ほどいる。それに対してモンスターは10体程だろうか。数では騎士団が優勢だが体格や力が違いすぎる。モンスター達が蹂躙するのも時間の問題だ。
「ステータス。」
名前 トロール
Lv.17
HP 1805
MP 9
ATK 1851
DEX 15
装備
木の棍棒
魔力石
トロールですか。体力、筋力お化けですが他は大したことないモンスター。知能もないはずですが、この状況、そして先程の副隊長からも感じた異様なオーラ。何なんでしょう?魔力石というのも気になりますが、、、。
「俺たち、、、一体ここは、、、。」
「マスター。」
「どうしましたか?イフリート?」
そちらに目を向けると連れてきた2人が目を覚ましていた。副隊長?はまだ目を覚さない。ちょっとやりすぎちゃいましたか、、、。
「起きましたか。今私たちは少女の村に着いたところですけどあれは貴方達の部隊ですか?」
「えっ、、、。」
「おい、、、。マジかよ、、、。」
ドサッ
イフリートが2人を放す。
突如アンは私の腕をギュッと握るが顔には怯えはしているが先程までとは違い落ち着いている。
私はそれに対して微笑み大丈夫ということを伝えると手の力が緩んだ。
「助けてくれ!!!」
「やめろ!!!俺たちをどうするつもりだ。」
怯えてはいるが会話する分には問題なさそうですね。
「あなたたちの仲間じゃないんですか?加勢に行かなくてもいいんですか?あなたたち騎士でしょう?」
「嫌だ!!!あんなところに行ったら死んじまう!!!」
「そうだ!!!だから俺たちは副隊長に着いていったんだ。こうなることがわかっていたから!!!」
「どう言う事ですか?こうなる事が分かっていたとは?」
「それは、、、。」
「おい!!!何も言うな!!!」
ボッ
イフリートが炎を手から出す。
「マスター。」
言葉とこちらを向き視線から殺す許可を待ちわびている事を察する。
「どうしますか?見てわかる通りあなた達には選択肢はなさそうですけど。」
「わ、わかった全て話す。だから命までは。」
「イフリート。炎を収めなさい。」
「イエス。マスター。」
「あ、あれは確かに俺たちの部隊だ。」
「お、俺達が知っているのは副隊長が今日はモンスターが襲撃してくると行っていたんだ。」
「最初は半信半疑だった。だけど副隊長の含んだ笑い方、、、。正直同じ人間とは思えなかった。それ程までにあの人は何かが違っていたんだ、、、。」
「そして副隊長と親しかった俺たちは別の任務を遂行してたんだ。そしたらお前達がやってきて、、、。これ以上は何も知らない!!!本当だ!!!信じてくれ!!!」
「任務というのは少女の事ですね?」
「そうだ!!!だが誰の命令か攫ってどうするかなんて俺達、、、いや!!!副隊長だって知らねぇ!!!」
「どういう事ですか?副隊長は命令を受けていたんですよね?」
「あぁ。だが顔も名前も知らないと前に行っていた。いつも召喚獣が定時に指定の場所にやってきて話すと、、、。」
「ぜ、全部話したぞ!!!俺たちは逃げる。あんな化け物達に敵うわけねぇ!!!隊長だって時間の問題だ!!!」
「まぁ私たちはあなた達を殺すつもりはありません。逃げるというなら止めません。ただ今日のこと誰かに話したりしたら、、、わかりますね?」
「あ、あぁ、、、。誓う、、、俺たちは話さねぇ、、、。何なら今日のことは何も覚えてねぇ!!!」
コクコクっ!!!
2人ともこれで大丈夫でしょう。色々気にはなりますが、まずはあのモンスター達を何とかしますかね。
改めてみるとあの戦い。本当に酷いですね。でも1人健闘していますね。あれが隊長でしょうか?
その者は圧倒的な体格差にも拘らずモンスターの猛攻を受け止め、流し、反撃をしている。だが現状を維持しているだけに過ぎない。周りの団員は疲弊しきっていおり、数で押し切ることもできないだろう。
だだだっ
「逃げましたか、、、。」
そちらに気を取られている間に2人は逃げてしまった。イフリートは気づいていたようだが俺の指示を待っていた。
「イフリート、何かあるといけないのであなたはここでアンを守っていて下さい。副隊長さんは目が覚めても逃げないようにお願いします。聞きたいことが有りますので。」
「イエス、マスター。」
「アンはここで待っていて下さい。決してここを動いては駄目ですよ。」
「う、うん、、、、。」
アンは怯えながらもしっかり頷いた。とても聡明な子だ。
「では、、、行きます!!!」