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13/15

3ー1

ドサッ


「効いたようですね。私の魔眼。」


 洞窟のモンスターを倒したら手に入れたスキル『ナイトメアアイ』。

 相手には今最も見たくないものを見せるというスキル。具体的な内容はスキルを使った本人にも分かりませんけど、倒れた男の顔を見るとどんな悪夢を見たのか想像したくもありません。



「ねえ、イフリート。次はどうすればいいと思いますか?」


「マスターが気に止むことはございません。少女を人質にし、あまつさえマスターを侮辱しました。殺すのが妥当かと。ですがこの学校、何処かの騎士あるいはそれに近い者かと。そうなると少し厄介です。」


「聞いた私が間違ってました。

 あーもう、Tちゃんはどうすればいいと思いますか?」


「シクシク、、、。」

イフリートが顔を覆って泣いているが今は無視です。


『解決案1。速ヤカニ立チ去ル。


 解決案2。主君ノ殲滅。』


「ハァ〜、、、。2人に聞いた私が悪かったです。少女をまず介抱して下さい。3人は一箇所に集めて下さい。異論は?」


「ごさいません。」キリッ!

『有リマセン。』


「立ち直り早っ!!!」


、、、

 


「よいしょっと、、、。こっちは終わったけどそっちはどうですか?」


イフリートの方を見る。


「こちらも終わりました。どうされますか?」


「取り敢えずアンを起こしましょう。」


肩を叩いたり声を掛けてもアンは起きない。


ペチペチと頬を軽く叩くとようやく反応があった。


「ここは、、、。私は何を。!!嫌っ。来ないで!」

アンは小刻みに震え目からは涙が滲んでいるがそれを隠そうと目を拭いながら抵抗する。


「、、、大丈夫です。私はあなたの味方です。私はトラン。あなたは?」


相手と同じ目線になるよう屈み手は両膝に置く。静かにゆっくりと相手をなだめるように話すよう心掛ける。今のアンの気持ちは怯え、不安、恐怖など様々な感情があるはず。それらを少しでも和らげる為にやってみましたがどうでしょうか?




「、、、ごめんなさい。よく顔も見ずに。そうよね。私と同じぐらいの子が敵なんて。私はアンと言います。今日はここへ薬草や花を取りに来たんですけどその時にさっきの騎士様に襲われて、、、。私怖くなって逃げたんです。そしたら捕まって意識が、、、。」


ひっかかる所はありましたが、取り除けたようで一安心です。

「それは大変でしたね。あの騎士達は何者かご存知ですか?」


「はい。あの方達はこの国の騎士様たちです。今日は村の巡回で来る予定と村長さんから聞いていました。でも料理に使う香草が切れたので村長さんに断ってここに。」



「そうでしたか。その村は何処に?村までお送りします。」


「ありがとうございます。トランさん。よかったら家まで来てください。大したおもてなしはできませんけどお食事でもどうですか?そちらのメイドさんも。」


「それはありがたい。ありがたくお招きに上がります。」


「ありがとうございます。」


「では行きましょう。」


「マスター。あの3人はどうされますか?」


「あの3人は私が引きずってつれていきます。」


「マスターにそのようなことさせられません。私が引きずってつれていきます。」


「そうしてくれると助かります。引きずるのはかわいそうだったので。なので担いで連れて来てください。」


「イエス。マイマスター。」


「あの3人、、、。私を襲った、、、いやァァァァ!!!」


3人の姿を見ると再びアンが取り乱した。


「アン!!!!」


ビクッとアンの体が震える


「3人は私が懲らしめました。次に何かあっても私が守ります。安心してください。」


スッ、、、


「トラン、、、ありがとう、、、グスっ、、、。その指は?」


「指切りを知りませんでしたか。これは私の世界、、、いえ!国では相手と小指同士結ぶことで約束を守ることを誓う儀式みたいなものです。」


「じゃあ、、、。」


スッ、、、


ギュッ


「約束です。」

「うん、、、。」


アンの差し出した小指を小指で握る。最初は弱々しく添える程度のアンの小指が徐々に力強く握ってくれた。それが嬉しく少し頬が緩む。これで一安心だろう。


、、、、、

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