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最終回:『ブレイドスキル・オンライン【二次創作】』〜のんべんだらり道化師の道化旅……だった何か。MPがある限り殺しても死なない魔力値極振りアンデット(?)道化のプレイ記録〜

やっと書けたよ最終回。


ずっと対戦シーン書こうと思って悩んでたけど「書けないなら書かなきゃいいじゃない」と内なる悪魔が囁いたのでスキップしました。


『見つけたぞユーリ! 勝負しろォォォ!!!』


「おっしゃァ、かかってこいやァ!」


 ――絶滅大戦から一週間。私はのんびりしていた。

 ログインした瞬間にたくさんのプレイヤーたちから勝負を挑まれ、彼らと殺し合う魔王様はいつもの光景だ。


「スキル【武装結界】! アーツ発動『暴龍撃』! おりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」


『ぎゃーッ!?』


 そんな声を背景に、私はのんびりと湖で釣りをしていた。


 いやーやっぱりあの人は何かやってくれるだろうと思ったけど、本当にやってくれた。


 無論、私は魔王様ことユーリさんの方、つまりは魔王サイドにいた訳で。


「というか、向こうのトップの人も相当にやばい人だったな」


隕石が降ってきた時はもう死んだかと思いましたね。はい。というか、死んだけど。


 一応、何人かは女神サイドの人を倒せたのでちょっとは役に立てたと思う。たぶん。

 色々と根回しとかトラップとか仕掛けてみたし、同じ陣営の人達にバフ配ったりしたんだよ、一応。これでも宮廷道化師(ジェスター)っていうか吟遊詩人(バード)の派生系だからね!


 あと、死に返りを繰り返したもんで、途中、「こいつ人間じゃねぇっ!?」ってめっちゃ言われたけど。人間だよ。どこに目を付けていらっしゃるのかしら。

 女神サイドのトップの隕石でどうでも良くなっちゃった感は否めないけど。


 まあ結局死んじゃったので、私はモニター越しで最終決戦を見ていた。


 中継で映し出されたそれは、色々と壮絶だった。

 戦いの様子もそうだけど、それを見ている、周囲の人達の応援とかもね。


 みんな熱烈な応援をしてて、なんというか熱かった。

 私はちょっと恥ずかしかったので心の中で応援してただ見ている感じだったけど。


 あれが人たらしっていうんだな。今思い出してもなんだか胸が熱くなる。


「ご主人様っ! 糸、引いてますよっ!」


 クニークルスの声に、ハッと意識を取り戻して竿を引く。


 そして、


 ザバァッ! と水から大きめの影が現れたのだ。


「そこの派手道化師! ようやく見つけたにゃーっ!」


 魚かと思ったけど違う! 人間(プレイヤー)だ?!


 大量の水飛沫とともに突如現れたその人は私の目の前に降り立つ。


「ええと、幻妖の黒豹さん?」


「すっげーよそよそしいにゃー」


 確か、真っ先に私を殺しに来た刺客の人だよね。ゲーム内でしか聞かない猫口調だから覚えてるよ。

 よそよそしいっていうか他人だしフレンドでもないのでそうとしか呼びようがなくない?


「黒豹でいいにゃ」


 そうですか。呼び方の癖なので敬称(さん)付けるけど。クニークルスは……ほら、私の人形というか身内だし。


「何の用ですか! ご主人様(マスター)に手を出したら即座にミンチにしてやりますよっ!」


 そう、クニークルスが拳を構えて素早くシャドーボクシングっぽいのをしている。いや物騒だな。というか、私に攻撃したら呪詛返し(スキル)で死ぬから大丈夫じゃない?


「いや、アンタにまともな戦闘を教えてやろうと思ってにゃ」


 ぽりぽりと頬を掻いて黒豹さんは私に言った。


「んー、ゆるっとやっていきたいからそういうのはちょっと……」


「その体たらく(高レベル)でゆるっとは無理じゃにゃーか?」


「否定できません、ご主人」


「そう?」


クニークルスも困った顔で私を見る。なんか不服。


「ちゃんとした戦闘、って言っても何するの?」


 私はバード系だし楽器で殴れるから特に不便はないというか。

 黒豹さんに問うと


「少なくともそこの人形に徒手空拳のスキルというか動きの伝達ぐらいはできるにゃよ」


 そう、あっさりと答えてみせた。


 ほう。


「なんでそんなに親切にしてくれるの?」


「にゃんというか」


「お前の今までの挙動を見ていると放って置けなくてにゃ」


「なるほど?」


「お前、死に返りと呪詛返しだけで戦闘能力ゼロ(ゴミ)にゃ」


「酷い?!」


ナイフ投げとか人形師アーツとか楽器で殴るとかやってるんだけど!


「ちょっと! ご主人様(マスター)をゴミ扱いしないでくださいっ! 貴方をゴミ箱に送りますよっ!」


いや物騒な。


「にゃははは、人形(お前)は死んだらスクラップになるだろうが俺は死んでも消えるだけにゃー! それに、万が一俺がゴミににゃってもプレイヤー(お前)の戦闘力ゴミは変わらんにゃー!」


「ぐっ……」


唇を噛み締めるけど事実だ。


「ってわけで、まずはフレンド登録にゃ」


「え」


差し出された手に思わず固まる。


「ううん、なんでもない」


 初めてのフレンドが、刺客だなんて。


 心が熱く燃え上がる。

 苦しいリアルから逃げ、奇妙でてきとうな状態から始めたこのゲーム。だけど今やこの場所で、こんな仲間ができるなんて。

 ああ、今なら言える。私は最高に、楽しいっ!


「よし、フレンドになろう!」


 鍛え抜かれた『刃』と『技』で、今日も私たちはぶつかり合う。

 どこまでも全力で、楽しく派手に殺し合う。そんな殺伐とした遣やり取りが絆になる場所――それが!



「もう、最高に楽しいね。この、『ブレイドスキル・オンライン』は!」


やっと完結!!


・二次創作なのにここまで閲覧ありがとうございましたああああ!!!!!



最後に作者からのエンドイラスト(イメージイラスト)

カーニバルハッピーを聴きながら描いた絵です。

挿絵(By みてみん)


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