表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/52

27:夢幻の跡地(入場ゲート前)


 門をくぐった先は、入場ゲート前らしき広場になっていた。

 ダンジョン内はじめっぽかった外と打って変わって視界は晴れ渡り、満天の星と……


「わお。すっごくいい雰囲気だね」


 放置されて数十年ってぐらいのぼろぼろの大きな入場ゲートが出迎えた。

 私が今踏んでいる広場の地面を覆うタイル達はひび割れて色あせ、なんだかよく分からない黒い草が所々に転々と生えている。

 乾いた風に吹かれ、サワサワと小さな音を鳴らす。

 

「っ!」


 視線を感じ、入場ゲートに視線を向けると入場ゲートの横に、うさぎの着ぐるみが立っていた。


「……さっきは居なかった、よね」


 警戒してみるも、ただそこに居るだけで何もしてこない。

 ……このままじゃ、(らち)があかないか。

 小さくため息を吐き、そっと着ぐるみの方へ歩み寄る。


『ようこそ、いらっしゃいました!』


「ーーっ?!」


 うさぎの着ぐるみに2メートルほど近付くと、突然喋り出した。

 中身は女の子かな? なんかすごく可愛い声なんだけど。

 そして、優雅に礼をする。……なんだか、どこかで見たことがある動きだなぁ。


『ここは、『夢幻の跡地』のセーブポイントです。まだ、モンスターに襲われることはありませんのでご安心ください』


 だそうです。


『わたし達はずぅっと、待ち望んでおりました! あなたのようなお客様を!』


「えっ?!」


 ぱしっと両手を掴まれ、うさぎの着ぐるみは感激したような声をあげる。


「ここが閉鎖されてから何十年……ずっと、ずぅっと!!」


 これなんかやべーやつじゃん?!

 というか、つい最近アップデートで追加されたばっかりじゃ……。ああ、うん。そうね。『そういう設定』……ってやつね。


 目を白黒させている合間に、


『逃しませんからね♡』


 なんて言われて、握られていた手にはいつのまにか腕輪の様なものが付けられていた。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ・装飾品『夢幻のフリーパス券』を手に入れた!


 効果:『夢幻の跡地』アトラクションの利用が無料になる。

 効果2:アトラクション全てをクリアするまで『夢幻の跡地』から出られない。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



「……えっ?」


 アイテム欄を二度見しました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ