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11:そんな装備で(頭)大丈夫か?


なんか前話で『10話ごとに〜』とか言いましたが、下書きを圧迫するのでやめました。


 ゲーム開始から四日目。私は昨日手に入れた装備を身に付け、浮かれていた。


「……ふふ。一度でいいから、こんな怪しげな格好してみたかったんだよね」


 ニマニマと笑う私は、まごうことなく変人だろう。まあ、(以前やったことのあるゲームでは)たまに全裸のやつとか水着のやつとかいたし、まだマシだろ? とは思っている。


 歩いたり止まったりすると服の飾りで付いている鈴が、チリン、と音を立てて楽しい。少し、猫になったような気分だけれど。


「……戦闘中、地味にうるさいかもしれないな」


 やっぱり、演奏の邪魔されるのはちょっと嫌だなぁ。


 で、少し動いて確かめたところ、結構大きめの動きをした時に音が鳴るのだと気付き、まあいいか、と気にしない事にした。


 と、



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ・楽器装備者限定:隠しクエスト発生! 秘められし音楽達!

 『第三章:秘められし音楽Ⅲ』

 ※満足度によって報酬が変わります。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 突然、いつもの隠しクエストが表示された。


「え? まだレベルそんなに上げてないんだけど?」


 周囲を見回すと、特徴的なブーツを履いた人形が落ちており、その近くに楽譜の描かれた壁があった。


「んー……もしかして、20レベル毎に発注かな、って思ってたけどもうちょっとサイクル短いのかな?」


 今更ながら、隠しクエスト『第三章:秘められし音楽Ⅲ』の詳細を確認することにした。



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 ・楽器装備者限定:隠しクエスト 秘められし音楽達!

 『第三章:秘められし音楽Ⅲ』

 ※必須レベル:24

 ※隠しクエスト『秘められし音楽Ⅰ・Ⅱ』をクリアする必要があります。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 ……24? なんだか中途半端のような……そうでないような、そんなレベルだ。


 40くらいのレベルで発注されるのかと思っていたからなんだかお得な気分だ。


「ま、クエスト受けられるんならサクッとクリアしちゃおう!」


 楽譜の側にはトランペットの絵が描いてあるみたいだ。つまり今回はトランペットを演奏か。


×


 ……で。


 ====================


 条件:『隠された楽譜Ⅲを見つける』達成!

 『隠された楽譜Ⅳ』の捜索が可能になりました。



 条件:『隠された楽譜Ⅲを弾く』達成!

 スキル【禁じられた舞踏】を習得しました!


 【禁じられた舞踏】:一度行った場所へワープ出来ます。※戦闘中は無効です。


 ====================




━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


 おめでとうございます! 隠しクエスト:『第三章:秘められし音楽Ⅲ』をクリアしました!

 ヨクラートルは大量の経験値を手に入れた! ヨクラートルのレベルが27になりました!

 ヨクラートルのレベルが25になりました。ジョブ進化可能です!



 ・足装備『禁じられた楽士の長靴』を手に入れた!


 装備条件:魔力値750以上

 効果:魔力値以外のステータスが半減する代わりに、フィールドダメージが無効になり、どこにでも立てるようになります。



 アイテム『禁じられた人形Ⅲ』を手に入れた!


 効果:全て揃った時のお楽しみ。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 と、まあ。無事に人形に踊ってもらい、装備も手に入れました。


 そして早速、人形からもらった長靴(ブーツ)を履く。


「……うん。見た目が揃うだけで結構嬉しくなるねぇ」


 言いつつ、私は壁から手が離せないでいた。だってこんなに高いヒール、今まで履いた事なかったんだもん!


 そう。この『禁じられた楽士の長靴』は高い10cmヒールの靴だったのだ。おまけにバランスが取りにくいピンヒール!


「な、なれるまで、動けない……」


 まるで生まれたての小鹿にでもなったような気分……!


「とりあえず、何もしないよりは、」


 と、壁に掴まり立ちをしながら、ステータス画面を開く。


「えぇっと、『ジョブ進化』っと」


 その項目を押してみると、



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


・バードからジョブ進化します。進化先を選択して下さい。


1:トルバドール

 バードの正当上位職。バフの威力と回復量が増加する。音感が良くなり、楽器なしでも演奏できる【歌唱】のスキルを習得します。

 騎士道と愛を語り聞かせる者。


2:ジェスター

 バードからの派生職。奇術や芸などができるようになった。また、バランス感覚が優れ、調整が楽になります。

 英雄譚を語り聞かせる者。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



 うわぁ、さすが上位職。特にトルバドールはパーティ組んだ時とか結構需要あるんじゃない?

 楽器なしで楽器攻撃判定出せる【歌唱】とか、便利そう!


 ……でも、私は


「もちろん、『ジェスター』!」


 やっぱり宮廷道化師(ジェスター)だよね。そして今一番欲しいのバランス感覚!

 おまけに、道化師やらなきゃ道化師(ヨクラートル)の名が廃る! というか、ただの痛い人になっちゃう!

 それに私が他の人とパーティ組めるか自信もないし!


 するとファンファーレが響き、『ジョブ進化おめでとうございます! アナタはジェスターになりました!』と祝福のメッセージが表示される。


「……で、バランス感覚は……と、」


 壁からそっと手を離した。お、ちゃんと震えずに立てる!


「よし、これで早速靴の使い心地も試せる!」


 気合入れてに勢いよく地面を踏むと、カツン、とピンヒールが地面を打つ音と、チリン、と鈴の音が響いた。


 そういえば、明日は初のイベントがあるんだった。……参加って強制なのかな?



装飾品→足装備に表示変更いたしました。

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