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勇者サトの冒険(仮)  作者: ひりあリア
第一章 始まりの村編
1/6

表一話 勇者サト召喚!

初めに見てくれてありがとう!!表と裏の話で構成していく予定なのでぜひ読んでみてください。

拙い文ですが、がんばりました!コメントとかしてくれると嬉しいです!!

「そろそろのはずなのだけど」


マリア・ハートは上司からもらった地図を凝視しながら目的の場所を向かう。昨日の雨で溜まったと思われる水たまりをよけながら少し湿った心地よい風が彼女の銀色の髪を撫でる。トコトコと歩く彼女の姿はまさに天使と呼ばれる容姿をしていた。銀色の髪に金の瞳。背中から生えた真っ白な翼がその小柄な体格を引き立たせている。

 先日、彼女は上司からの待機命令が解除され新しい任務が下された。曰く、この世界に召喚された勇者の手助けを行うようにとのことだ。

「この世界を平定するため、勇者を手伝うこと。また必要とあらば天使としての介入もやむなし」

こう書かれた手紙とともに渡された地図には勇者が召喚された場所と勇者の情報が記載されていた。


名前:サト ランク:S


名前と勇者となる素質の評定が書かれている紙を見ながら勇者の顔を確認する。男性なのか女性なのか分からない中世的な顔立ちをしている。可愛い。悪く言えば頼りないだろうか。当然、これが他の天使だったならば内心残念がったり、絶望したりするだろう。なぜなら天使は神に仕える者として従属的な傾向にある。その結果、より強いものに憧れる者が多い。しかし彼女はその優秀すぎる才能と力のせいか、他の天使と異なり圧倒的なまでの母性を持て余していた。彼女はその顔を見た時、心臓の鼓動が激しくなった。非常に保護欲をくすぐられる。

(なんて可愛い勇者なのでしょう。)

 自身の運の良さとこの仕事を割り振ってくれた上司に感謝し、勇者との出会いに期待しながら目的地の場所に向かうと、目印の大樹の根元に勇者は眠っていた。


「あらあら。やっぱりかわいい顔をしてる。」


寝顔をのぞき込むとやはり整った顔立ちをしている。年齢は人間にして10歳くらいだろうか。非常に幼い顔つきをしている。金髪に可愛らしい顔は書類で見た以上のものだ。身長は彼女自身と同じくらいであり、スレンダーな体つきをしている。

 彼女の視線に気づいたのだろうか。勇者は微かにまぶたを持ち上げ彼女の方を向いた。そして、一泊おいて眠気が飛んだのか綺麗な青い目が見開かれた。彼女はそんな様子を見て満足げな顔を見せた後、勇者に向かって話しかけた。


「おはようございます。勇者様。私はマリア・ハートと申します。これからどうぞよろしくお願いします。」


膝を曲げて目線を合わせる。敵対心を持たれないためだ。好意的な笑顔で挨拶を行う彼女を見て勇者もはっと起き上がり返事をする。

「ぼ、僕はサトといいます。ええと、あれ、僕はなにしてたんだろう。」

「召喚された影響で混乱しているのでしょう。立ち上がれますか」

そう言って、彼女は勇者に手を指し伸ばした。勇者は少しためらった後、彼女に手を伸ばす。彼女の手に柔らかな勇者の手の感触が伝わる。小さな手だ。彼女の上司より少し小さいだろうか。勇者はお礼を言ったあと服についた草を払った。なにかを訴えるような表情に気づき、彼女は説明を再開した。

「まずは勇者となられたことをお祝いいたします。」

「…勇者って何ですか?」

きょとんとした勇者の顔を見て、彼女は微笑みを浮かべた。

「そうですね。えぇと。簡単に言うとこの世界をあなたに救ってほしいということです。」

「それって正義の味方ってことですか!」

彼女の言葉にぱーっと表情が明るくなっていく勇者を彼女は満足げに見る。

「そうです。悪い敵をやっつけてみんなを幸せにしてほしいのです。」

「僕が、みんなを幸せに、、、」

勇者の心の高鳴りを感じるとともに、彼女は第一関門を突破したと確信する。事前の資料のランクSという評価。小柄な体にか細い手足。なぜこのサトという少年にそこまで高い評価が付けられたのか。肉体における加点がないのであれば精神的な部分が加点されたと考えるのが当然だろう。そして精神部分における勇者に必要な素質は性格である。そしてこれだけ可愛らしい子の性格が悪いわけない。この彼女の確信が、サトが自身を勇者であると受け入れさせる最初の難関を突破させたのだ。

「そうです。サト様にはそれだけの力があります。私と一緒に世界を救っていただけませんか?」

「わ、分かりました。僕頑張ってみます!」

 勇者が両手でガッツポーズを作る。その姿は凛々しいというよりは可愛らしさそのものだった。

 「でも魔王を倒すって、何をすればいいですか?」

 「安心してください。私がサポートするので大丈夫です。まずは近くの村で武器を買いましょう。さすがに素手では魔物には勝てないので。」

 「分かりました!でも僕はこの世界?についてなにも分からないです。ごめんなさい。」

 「いえいえ、そのために私がいるのですから。少し待っていてくださいね。」

彼女はごそごそと持っていた地図を広げていく。それを方角に合わせて最短の村を探す。


 勇者はその間自分のことを思い出そうとしていた。しかし、自分が誰か、どこから来たのか全く思い出せず悶々としただけだった。ただ勇者の心の中には正義という言葉がひどく残っていた。それがなぜあの時すっと喉から出たかは分からないが、勇者自身がここに来る前の生き方と関係あるのだろうか。そんなことを考えているとマリアと名乗った女性が指をさした方向に村があると言う。あまり難しいことは分からないけど正義のために頑張ろうと勇者は張り切るのであった。

 こうして勇者と天使の旅が始まった。


自分が書いた文を読まれるのは恥ずかしいですね!

おかしいところとかあったら気軽に言ってください!

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