Foolish Wars 序文
この作品は、第7回星新一賞に応募した作品を含む短編小説群です。
その星は、高度に発達した文明を、まるでゲームのように『戦争』という名の破壊と殺戮に費やしていた。
露骨な戦争という形で、不毛な争いが起こってからすでに一〇〇年が経過していた。
とうに代替わりを果たしたというのに、何割かの人類は惰性で、また何割かは軍需産業の維持のために、さらにまた何割かは各国の掲げる大義ために動いていた。
人工知能による自律または遠隔操縦兵器が戦争の拡大を産み、また加速と停滞的な長引く戦争をもたらした。
油田などの各種採掘場が真っ先に戦場となり、その後は兵器を確保するための軍事施設を狙って戦争をする、などといった本末転倒な有様だ。
ちまちま、という表現が一番しっくりくるだろう。半端な局地戦が、各国と各国の支配圏で延々と続いていた。
さすがにうんざりした各国はさまざまな、ユニークな科学・軍事技術、兵法などで『世界征服』を企んだ。
これは、そんな『うんざり戦争』の記録である。