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BioGraphyOnline!  作者: ツリー
第3章 うたかたのゆめ
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第八十五話 ゲーム内でリア知り合いと偶然出会う可能性は皆無

 グラフの街からこんにちは、アズです。

 久しぶりに登校したからか、何故か凄い久しぶりな感覚ですね!

 気持ち的に言えば3か月くらいぶりな気分です!

 

 そんなお久しぶりな俺ですが、現在青白い顔をしたグレイを連れて街で情報収集中です。

 なんでもアズリエルさんを見つけれなかったとかで、死にそうな顔をしているんFRづよ。

 まったく、グレイは本当に俺がいないとダメですよね・・・まったく。

 

 というわけで、気分転換がてら新規実装された転生の情報を探しているのですが・・・


「いざ転生させるとなると情報が少なすぎるな」


 アンデットへの転生条件に関して俺が知っているのは、公式情報でクエストの受注場所が死霊都市ネクロニアという場所だという事のみな上に、その受注場所のネクロニアという場所に関してのデータすらも持ち合わせていない。


 今はグレイの金で露店のジャンクフードを買い漁っているから良いが、俺の満腹度がMAXになった瞬間にこの情報収集が苦行になる事は目に見えている。


「おい、グレイは何か情報持ってないのかよ?俺が学校に行ってる間もずっとゲームしてたんだろ?」

「・・・今日は一日中アズリエルさんを探してた」

「さいですか」


 この際情報を持っているかどうかは置いといて、普段ウチに引き籠っているグレイにしては珍しい。

 なんでまた急にアズリエル探しを始めたんだ?

 しょげたグレイの顔なんて見たくもないし、ここで「俺がアズリエルでした!」とか言った方が良いのだろうか?

 ・・・いやそれは無いな、グレイが知った瞬間俺のグラフ人生が終わる。


「それに転生する条件が今の俺たちにはわからないんだよな・・・アンデットっていうぐらいだし、もうサクッと死ねば良いんじゃないか?」


 なんかもう面倒くさくなってきた。

 転生条件を探しだして30分、グレイの為だけに30分も食べ歩きをしているんだぞ!

 これが休みの途中だったり、ルピーやフーキの為だったら大した時間とも思わないが、何の役にも立たないグレイの為だぞ?

 噴水の端に座りこんでた時より幾分顔色も良くなってきたし、もうそれで良い気がしてきた。


「やめろよ・・・アズのステータスじゃ俺を倒し切るのにどれだけ時間がいたたたたた!?」


 何か腹が立ちそうな事を言い出そうとしたグレイを押し倒し喉元に包丁を突き立てるが、クリティカルにもも関わらず㏋はほんのちょっとしか削れない。

 いや、ちょっとは削れるのか。


「この調子なら1時間包丁を抜き差ししてれば削りきれるか?」

「むしろ1時間も突き刺すつもりか!?」


 もう一度包丁を振りかぶると、今度は包丁白刃取りをされてしまった。


「抵抗するなよ、少なくとも一切情報が無い状態で街を歩き回るよりは有意義な時間と言えるんだよ、俺にとっては」

「待て待て待て!刺されるこっちは地味に痛いんだよ!大体情報収集するならこんな所で買い食いしてないで冒険者ギルドに行くべきなんじゃないかなぁ!?」


 グレイが首を横に振りながら真っ当な提案をしてくる。

 グレイの癖に生意気な。

 だがまぁちょっといつもの調子に戻ったようで安心・・・


「っち!じゃあグレイの提案に乗ってやるか」

「今なんで舌打ち・・・なんでもないです」


 グレイは何故か不満気な表情を浮かべ、刺された箇所をさすりながら冒険者ギルドへの最短ルートを表示させる。


「こんな機能あったのか」


 なんだろう、この前の大型アプデで追加されたのだろうか?


「・・・お前まさかナビシステム使った事ないの?」

「まっさかー、ソンナコトナイヨ」

「だ、だよな!最初のチュートリアルで説明あるもんな!」


 心底ビックリした表情を浮かべられたので、適当に目を泳がせて置く。

 どうやら昔からあるシステムらしい。

 俺にそのチュートリアルが出てないのは、チュートリアル通りに進んでないからなんだろうな。


 ナビ通りの道を進み、見慣れた景色を眺めながらギルド前のゴミをリスポンさせ入店。

 ギルドの隅の最近見なれた小汚い店内と、薄ら汚い店主を見ながら、心底汚いグレイに視線を向ける。


「んで?どうやって情報を探すんだ?」

「そんなの決まってんだろ?」


 グレイはそう言いながら胸ポケットから金貨を1枚取り出すと、併設している酒場で無駄に高い酒を注文しだす。

 こいつ・・・たった1Rで何やってんだ。


 注文したのとは別に出された安酒をあおりながら、グレイは前髪を払う。

 なんかよく分からんが、ベテラン冒険者のような・・・とても頼りがいがある姿は、数秒後にカウンターに突っ伏す事になった。

 このバカに何か期待したのが間違いだった。


「俺はよォ!ただアズリエルさんに一言伝えたい事があるだけなんだよぉ!」

「はいはい、わかったからもう飲むのはやめ「愛してまーす!!」ヤメロォ!」


 グデングデンに酔っ払い、俺の肩を掴んで気色の悪い事を叫び出すバカに水をぶっかける。

 このバカは急に何叫びだしてんだよ!


「ったく、悪目立ちしやがって・・・こんなの周りに見られたら変な誤解・・・ん?あれ?」


 そこまで口にして、誰も俺達を見ていない事に気がつく。

 自意識過剰という訳ではないが、ここまで騒いでたら一人二人こっちを見ていても可笑しくはないと思ったが・・・大体普段なら騒いでなくても何人かの視線は感じるし・・・


 不思議に思いながら辺りを見渡すと、周りの冒険者がある一点に注目している事に気がつく。

 そこには初心者なのか、頭上に若葉マークかついたLV1の冒険者の姿。


『ちょ、マジやばー!何ここリアルすぎ!』

『それなー笑』


 ボロボロの服をまとい、キャピキャピと仲間と会話する二人の新人冒険者。


『おい・・・JKだ、JKがいるぞ』

『よし、どうやら俺の出番か来たようだな(ガタリ)』

『座ってろ!お前の出番はねぇよ!』


 ガヤガヤ騒ぎ出す周りの冒険者。

 彼らの視線の先には、BGOでは珍しい女性の・・・しかも若年層・・・JKもといギャルがいて・・・

 その人相は最近学校で知り合ったばかりの、ゲームとは無縁そうな陽トピアな人種で・・・


「あ、グレイ!俺ちょっと新しい店のレビューをしに行かなくちゃいけなかったんだった」


 その場しのぎで最近実入りが良いと噂されている、何かのレビュアーズの話題を切り出す。


「はぁ?お前何言っへんの?あのフエストはお前みはいな・・・」

「じゃあ行ってくる!」


 怪訝な顔を浮かべるグレイを無視して、新人冒険者から逃げるようにカウンター席を離れようとした所で、ギャルの一人と目が合う。


『アズぴっぴはっけーん!』


 ナンテコッタイ



お久しぶりです!

仕事の時間は如何せんながら、執筆環境は整いつつあるので少しづつ再開していこうかと思ってます。

流石に前みたいな毎日投稿は出来ませんが、せめて丁度区切りが良い所までは書きたいですね!


ブクマ、評価はいつでも歓迎ですよ!

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